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光鬱の打上げ?(2)

「じゃあ、今日はここで」 「俺、カイの店寄ってくー」 すっかり飲み放題食べ放題を満喫した僕らは、店を出て…そこで解散する事になった。 「カオル、お疲れだったね…」 「はい…皆さん、ありがとうございました…」 「あ、ハルトさん…真夜庭のPV撮影の事で、相談したい事があるんですけど…この後、ちょっと時間あります?」 ショウヤがハルトに言った。 「いいよ、どうする?」 「あーどっか寄ってもいいし、ハルトさんちでも…」 「じゃあ、ウチ来る?」 「…はい」 「ちなみにカオルさん、次の光鬱はいつですか?」 「えーっと…」 僕がショウヤと話している隙に…サエゾウは、シルクの後ろに回ると、僕に聞こえないくらいの小さい声で囁いた。 「シルクーしっかり上書きしとけー」 「は?」 「今日は譲るー」 「何でだよ」 「だってー頑張ったカオル…労ってやんないとー」 「お前が労えば?」 「シルくんがいいに決まってんじゃんー」 「…」 サエゾウは、シルクの肩をポンポンと叩いて、彼から離れた。 「じゃあ、また…再来週か、リハよろしく」 「はい、お疲れ様でした」 「バイバーイ」 僕らは手を振り合って…3方向へ分かれた。 結局僕はまた…シルクと2人になった。 「さすがにもう食えないだろ」 「…うん」 「解散にするか…」 「…」 黙って下を向く僕に向かって…シルクは言った。 「たまたま2人になったから…またヤりたいとか、思ってんの?」 「…うん」 僕は…正直に頷いた。 そんな僕を見て…シルクは、さっきのサエゾウの言葉を思い出しながら続けた。 「じゃあ…ウチ来る?」 「…いいの?」 僕はパッと顔を上げて…目を輝かせながらシルクを見た。 若干引きながら、彼は笑って言った。 「…お前…犬みたいだな…」 「…っ」 「エサを目の前にして、ハアハアしながら尻尾ふってる犬みたい」 「…」 僕はそう言われて…ちょっとムッとしながら、顔を赤くしてシルクから目を逸らした。 そんな僕の頭を撫でながら…彼は囁くように言った。 「…可愛いって言ってんの」 「…っ」 「上書きしとけって…サエにも言われたしな…」 「…」 サエさんに…言われたのか… それでもよかった。 どういう言い訳であれ…シルクがそういう気になってくれているのが、僕は嬉しかった。 そして僕らは、暗い道のりを…どちらからともなく手を繋いで、歩いた。 シルクが…そうしてくれる事が…嬉しくて嬉しくて…僕はたまらなかった。 彼の家に着いた。 ドアを閉めて…ガチャッと鍵をかけるや否や…僕らは、貪り合うように、くちびるを重ね合ってしまった。 胸に、心地良い寒気が何度も走った。 それだけで僕は…もう何も考えられないくらいに、気持ち良く身体の力を奪われていった。 口を離れたシルクは、僕の顔を見て…穏やかに微笑みながら言った。 「…あいつの前でも、そんな顔したの?」 「…ん…たぶんね…」 「…そっか」 言いながら彼は、僕の身体を抱きしめて…持ち上げた。 「んんんっ…」 「いっぱい食ったから、重いな…」 「…っ」 シルクはそのまま…また敷きっ放しだった布団まで、僕を抱えていくと…ドサッと僕の身体を、そこへ投げ出した。 間髪を入れずに僕の上に覆い被さったシルクは…僕を見下ろして、少し怒ったような顔で言った。 「すげーヤキモチ妬いたからな…サエじゃないけど、ヤっとかないと気が済まない…」 「…」 僕は、シルクの目を見つめて答えた。 「…気が済むまで…ヤって…ください…」 「…」 彼はニヤっと笑った。 そしてまた…僕に口付けてきた。 「…んんっ…んっ…」 口付けると言うよりは…舌をねじ込んできた…っていうか… まるで口の中を犯されているような、激しく心地良い感覚に…僕の身体はビクビクと震え、じわじわと熱を上げていった。 「お前…口だけでもイけちゃうんじゃないの?」 ビチョビチョに濡れたくちびるを、そっと離れたシルクは…僕の股間を弄りながら、いやらしく囁いた。 「はぁっ…ああっ…」 「また…このまま出しちゃう?」 「…んんっ…いや…」 もう、すぐにも破裂しそうな程に、いきり勃った僕のモノを…彼はズボンの上から撫で回し続けた。 僕は、大きく首を横に振りながら…必死に自分でズボンに手をかけながら哀願した。 「いや…あっ…お願い…脱がせて…」 容赦なく…シルクは、手の動きを早めた。 そして追い討ちをかけるように…再び僕の口を塞いだ。 「んっ…んんんっ…んん…」 僕は…僕のモノを弄るシルクの腕を掴んで、力無く抵抗を試みたが…それは無駄な努力に終わった。 口の中を這い回る舌の、執拗な刺激は…直結する僕のモノへと、快感の波を押しやり、それはシルクの手によって更に極点へと突き上げられていった。 ビクビクと大きく身体を震わせて…敢えなく僕は、愛液を吐き出してしまった。 「はぁ…はぁ…」 ようやく彼は、口を離れた。 僕は、今にも泣きそうな、情けない顔で…シルクを見上げた。 シルクは、それはそれは満足そうに、苛めっ子な表情で…ニヤニヤしながら言った。 「少しは気が済んだけど、まだまだ序の口だから」 「…」 それを聞いた僕は…果てしない気持ちになった。 それでも僕は、息を上げながら目を閉じて… 薄ら笑みを浮かべていた。

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