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凌辱のLIVE(5)
「カイ…大丈夫?」
ハルトはカイの両肩を掴んで、身体を起こさせた。
「…はぁ…はぁ…ん…何とか…」
「立てる?」
「ふぅー…はぁ…はぁ…」
カイは必死に、息を整える努力をした。
ハルトは、彼の肩を撫でながら続けた。
「今日のカイ…美味しいトコ持ってったよね」
「…」
「皆、大喜びしてたよ」
それを聞いて、カイは力無くふふっと笑うと…ヨロヨロと立ち上がった。
それからハルトは、シルクの所に行って、肩からベースを下ろさせた。
「シルクは?…立てそう?」
「…ん」
シルクはハルトの手を、力無く握った。
ハルトはその手を引っ張り上げて、シルクを立ち上がらせたが…彼はそのままドサッと、ハルトの肩に顔を埋めて倒れ込んでしまった。
ハルトは必死で、シルクの背中を抱き抑えながら…彼の耳元で、囁くように言った。
「お疲れ…すごく良かったよ」
「…」
「光鬱なんかより、ずっと良かった」
「…」
シルクは、ゆっくり顔を上げると…安心したように少し笑った。
ハルトに支えられながらも、何とか自力で立ち上がったシルクを見て、カイが言った。
「行けるか?」
「ん…」
そして2人は、ステージから出て行った。
ま、やっぱりだいぶヨロヨロはしていたが…
「あーあー面倒なのが2人もいる…」
呟きながらも、ハルトは、とりあえずサエゾウを揺り起こしにかかった。
「サエ、おい…サエ!」
「んー」
「頑張れ、サエ!好感度上げるんだろ?」
「んーー」
「…」
仕方ない風に…ハルトは、サエゾウの耳元に顔を近付けて…言った。
「すごく良かった…アヤメの100倍はカッコよかったよ」
「…っ」
それを聞いたサエゾウは…パッと目を開いた。
そしてスクッと起き上がった。
「だよねー」
「…」
単純サエゾウは、そのままシャキッと立ち上がると、今まで転がっていたとは思えないくらいに軽い足取りで、ステージを出て行った。
ハルトは、その後ろ姿を見送ると、ふぅーっと溜息をつきながら、笑った。
「さてと…あとは…コレか…」
ハルトは、完全に動かなくなった僕の側にきた。
「カオル、カオル…?意識はある?」
「……は…い…」
僕は、絞り出すように答えた。
ハルト母さんは、僕の背中撫でながら…僕の耳元で、小さい声で言った。
「着替えてから…出る?」
「…」
僕は必死に…ゆっくり顔を起こして、ハルトを見た。
彼は本当に、お母さんのような優しい表情をしていた。
「…はい…」
「…」
それを聞いたハルトは、ニコッと微笑むと、僕の身体をゆっくり起こした。
そして、よいしょっと…両手で抱き上げた。
「あ、あの…」
閉じられた幕の下をそっと捲って…そこからアヤメが、顔を覗かせた。
「メンバー出てきたから…他に何か手伝う事…あるかなと、思ったんだけど…」
アヤメは、心配そうに…でもその裏側で、何かを企んでいるような顔で、ハルトに言った。
「スイマセン、ありがとうございました…」
僕を抱き上げたまま、ハルトは穏やかに…でもキッパリと言い切った。
「大丈夫です」
「…」
アヤメは、少し残念そうに口をつぐんだ。
「もうちょっとしたら、カオルも出て行けると思うんで…もしお時間あるなら、待っててやってください」
「…わかった」
アヤメは、そう言って、幕を元に戻した。
「なかなかに、油断ならないな…」
呟きながらハルトは、僕を抱いて楽屋に移動した。
僕をいったん椅子に座らせると、ハルトは自分のカバンから、小さい袋を出した。
それから、再び僕を抱き上げると…その楽屋の一角にあるトイレの個室に、僕を持って入った。
ガチャッと鍵をかけ、僕を座らせると…彼は僕の靴を脱がせて、スカートを捲り上げた。
そして、汚れた下着ごと…レギンスを脱がせていった。
「もっかい抜いといた方がいいか…」
ポソっと呟いたハルトは…すでにいったん吐精しての…再びいきり勃った僕のモノを、そっと握って、口を寄せた。
「…んんっ…」
「声出すなよ」
そう言って彼は、僕のモノをしっかりと口に咥え…何度も抽挿させた。
僕はビクビクと震えながら…必死で両手で口を抑えた。
「…っ…んっ…っ」
ほどなく、僕は身体を大きく震わせて…ハルトの口の中に、愛液を吐き出した。
ハルトはそれを、シュッと飲み干すと…そのまま、僕の身体を綺麗に拭いてくれた。
そして新しい下着を履かせた。
「しょうがないから、素足でいいよな…」
「…」
靴も履かせてくれた。
「はい、オッケー」
「…」
「立てる…?」
ハルトは僕の手を取った。
僕は、両手で彼の腕を掴みながら…ゆっくり、そっと立ち上がった。
「…大丈夫…そうです…」
「よし…」
ハルトは、個室のドアを少しだけ開いて、人が居ないのを確認してから、外に出た。
僕も…彼に続いた。
楽屋のドアに手をかけて…ハルトは言った。
「ひとりで行ける?…俺は楽器の片付け手伝わないといけないからな…」
「…頑張り…ます…」
彼は続けた。
「アヤメには、気を付けなさいね…」
「あ…はい…気を付け…ます…」
僕は思わず…力無く、クスッと笑った。
ホントにお母さんだな…ハルトさんって…
「ありがとうございました…」
最後に、そう言い残して、僕はドア開けた。
彼はニコッと笑って見送ってくれた。
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