274 / 398

光鬱反省会(4)

動かないカオル人形としばらく戯れていた…やっぱりちょっとヤバいアヤメは…ようやく僕の中から自分のモノを抜き出した。 (何か…俺…オカシイか?) 僕の身体を拭きながら… アヤメは、落ち着いた頭で自問自答した。 (どうにもならないくらい…我慢出来なかった) (しかも…全然止まれなかった…) 彼は動かない僕を見下ろしながら… ゴクンと唾を飲み込んだ。 (むしろ…まだ…足りない…) 「…っ」 首を横にブンブンと振りながら、アヤメは僕の身体を抱き上げると、隣の部屋のベッドに運んだ。 僕の寝顔を、見れば見るほどに… アヤメは、自分の胸に…なんとも言えない寒気のようなものが走るのを感じていた。 (やっぱり…俺…オカシイな…) 彼は立ち上がってテーブルに戻ると、どちらが残したのか分からないハイボール缶を、グイッと飲み干した。 空になった缶を、キッチンのゴミ箱に捨てると…彼はもう1本…冷蔵庫から取り出した。 それを開けながら、DVDが流れっ放しの画面の前に座ったアヤメは…それを、YouTubeに切り替えた。 そしてまた… うっかり、トキドルチャンネルを開いてしまった… (…カオル…っ) どのくらい時間が経ったのか… 目を開けた…僕の目の前に、アヤメの顔があった。 「…」 彼は、僕の横に寝転がって…頬杖をついて、僕の顔を見下ろしていた。 「大丈夫…?」 「…」 僕は、記憶を手繰り寄せた。 「ごめんね…やり過ぎた?」 「あ…いえ…いつもの事なんで…平気です…」 「あいつらとヤるときも、いつもこんな風に失神しちゃったりするの?」 「…最近は…割と…いつも…」 「…そうなんだ…」 アヤメは、ふぅーっと大きく息を吐きながら…言い辛そうに、続けた。 「ホントに悪いんだけど…」 「…?」 「挿れなくてもいいからさ…もう1回…生お前で、抜いてもいい?」 「…!」 少し顔を赤ながら、恥ずかしそうにそう言う彼を見て…僕は、何ともたまらない気持ちになった。 「…挿れても…大丈夫です」 僕は、言った。 「いやでも…また失神したら困る」 「…すぐ、抜いてくれれば…大丈夫です」 「あ、そっか…」 「それに…」 僕も、顔を赤くしながら…俯き加減に続けた。 「アヤメさんが、そんなのしてるの見たら…絶対、僕も気持ち良くなっちゃうと思うし…」 「…っ」 それを聞いたアヤメは…またも、ガバッと、僕の上に覆いかぶさってきた。 「じゃ、遠慮なく…もっかいヤらせて…」 言いながら彼は、僕に口付けながら…僕の胸元を弄った。 「んん…んっ…」 口と乳首を愛撫される快感の相乗効果で、僕の身体はすぐに、いっぱいになっていった。 アヤメは、僕の口からくちびるを離すと…そのまま首すじから、鎖骨へと口づけながら…やがて、僕の乳首まで下りていった。 「…あ…んん…」 彼の舌先と指先で、両方の乳首を愛撫されて…僕はまた、ビクビクと震えた。 そして、まさにいきり勃った彼のモノが…僕の下半身に何度も触れる感触が、更にその快感を波立てた。 僕の身体は、ジンジンと疼き…その、触れるモノが、欲しくてたまらなくなっていった。 僕は、絞り出すように…言ってしまった。 「…あ…アヤメさんの…それ…挿れて…欲しい…」 「…!」 それを聞いたアヤメは…息を上げながら、僕の両足を押し広げると、自分の肩に掛かるくらいに高く持ち上げた。 「は…あっ…」 また、勢いよく…彼のモノがねじ込まれた。 それは…僕の身体中に渦巻く快感の波紋を、全て一掃する大きな津波のような感覚だった。 「ああ…ああぁ…」 僕は一気に…突き上げられていった。 「はあっ…あっ…んっ…」 そんな僕の様子を見下ろしながら…アヤメはまるで野獣のように、夢中で息を荒げながら…何度も激しく抽挿を繰り返した。 「…んん…んっ…」 ほどなく、ビクビクと身体を硬直させた彼のモノから…僕の中に生温かい液が吐き出された。 「…ぁ…あ…」 それは、僕の快感の荒波のトドメも刺した。 朦朧としながら…僕もまた、愛液を吐き出した。 「はぁ…はぁ…」 「…はぁ…はぁ…」 「おっと…すぐ…抜かないと…」 呟きながら…少し残念そうにアヤメは、余韻に震える僕の中から自分のモノを引き出した。 「…っ」 僕は息を上げながら… そんな彼を見て…ふふっと笑った。 身体を拭いてから… アヤメは、僕の隣にドサッと寝転がった。 そして、顔を僕の方に向けて言った。 「…ごめんね、何度も…」 「いいえ…全然…大丈夫です」 「…」 「…むしろ…気持ち良かった…です」 「…っ」 それを聞いた彼は… 上を向いて、両手で自分の顔を覆った。 「何か俺…お前に対して…前より全然、余裕が無くなってきちゃったな…」 「…」 「全部…お前に持ってかれそうだ…」 「…」 そんなアヤメの言葉に…僕は、たまらない気持ちになった。 それでも僕は、どうする事も出来なかった。 「…でも」 しばらくの沈黙のあとに…彼は続けた。 「今なら…サエより上手くギター弾けそうな気がする」 「えっ…」 僕は思わずアヤメの方を向いた。 「正々堂々お前を奪うには…それしか無いだろ?」 「…」 彼は片手を僕の首の下に滑り込ませると…僕の頭を自分の方へ抱き寄せた。 「トキドルを超えてやる…」 「…っ」 そう呟きながらアヤメは… 自らを奮い立たせるように…じっと空を見つめた。

ともだちにシェアしよう!