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ワルツなリハ(2)
それからまた、何度もそれが繰り返された。
繰り返すほどに精度は上がり…
情景は鮮やかになり…
そして僕の身体は…こないだ3人に寄ってたかってヤられたときのように…ビクビクと震え上がっていくのだった…
「…!」
何度目かの…ジャンジャンの後…
マイクスタンドに縋り付く僕の横で…サエゾウが、ガクンと膝をついた。
「…サエが先にヤられたか…」
ふふっと笑いながら、シルクが言った。
「休憩だな…」
言いながら、ドラムから立ち上がったカイは…サエゾウの所へ行くと、アンプのボリュームを下げて、ギターを肩から下ろさせた。
ベースを下ろしたシルクは、今にも倒れそうな僕の肩をそっと抱いた。
「サエの処理よろしく…」
「…っ」
言いながらシルクは、そっと僕に口付けた。
「…ん…ん…」
ただでさえ熱く湧き立った身体に、その口付けが更なる追い討ちをかけた。
ガクンと膝を折ってしまった僕の身体を抱きとめたシルクは、そのまま僕を仰向けに押し倒した。
そしてすぐに僕のズボンを脱がせた。
「あとはサエに可愛がってもらえ…」
そう言い残して、シルクはサッと立ち上がって…カウンターの方へ行ってしまった。
「…っ」
「はぁ…はぁ…」
ほぼ入れ替わりに、カイにズボンを脱がされたサエゾウが…息を荒げながら、僕の上にドサッと覆い被さってきた。
彼は、必死に頭を上げると…震える手で、僕の顔を両手で包んだ。
「…やっぱ…お前、サイコー」
言いながらサエゾウは、勢いよく僕の口に、舌を突っ込んできた。
「んん…ん…」
まるでさっきまでの、メロディアスなギターリフのように…僕の口の中を掻き回す彼の舌の感触に…僕はもうそれだけで、イキそうになってしまった…
やがて、バッと口を離れた彼は…サッと起き上がって、僕の両足を開いた。
そしてまた、勢いよく…パンパンにいきり勃った自分のモノを…僕の中にグイグイと押し込んだ。
「…はぁっ…あっ…ああ…」
パンパンなのは、僕も同じだった…
その刺激は…既に溢れ出るほどの快感に侵食されていた身体を…あっという間に突き上げていった。
「ああ…あっ…は…ああっ…」
ビクビクと身体を捩らせながら…僕はすぐに、愛液を吐き出してしまった。
「はぁっ…あっ…ああ…んっ…」
サエゾウも…まるで余裕の無いような表情で…取り憑かれたように、激しく腰を揺らした。
「あっ…ん…んんんっ…」
ほどなくビクビクと大きく震えた彼のモノから…僕の中に、生温かい液が吐き出された。
そしてそのまま…彼はドサッと僕の身体の上に倒れ込んでしまった。
「…」
僕の上で、肩で息をするサエゾウの背中に…僕はそっと、両手を回した。
「…サエ…さん」
「…んー?」
「…ありがとう…ございます…」
「…」
それを聞いたサエゾウは…ダルそうに頭を持ち上げると、僕の顔を見下ろした。
そして…とても満足そうに、ニヤっと笑うと…僕の頭を抱きしめながら、再び僕の上に覆い被さってしまった。
「…っ…んんっ…」
そうこうするうちに…挿れっ放しの彼のモノに、また僕の身体が反応してきてしまった。
「…サエさん…もう、抜いて…」
僕は、彼の両肩を押さえながら…絞り出すように言った。
「……」
「お願い…だって、まだ練習…するんでしょ?」
哀願しながらも…僕の身体は、勝手にビクビクと震え出した。
「…んっ…あ…」
サエゾウは…ゆっくり身体を起こした。
「は…あっ…ああっ…」
その刺激で、僕は…既にイってしまった…
「勿体ないけど、しょうがないなー」
そんな僕を見て、ニヤニヤ笑いながら…彼は致し方ない様子で、自分のモノを引き出した。
「はぁ…はぁ…ぁ…」
余韻に大きく息を上げる僕の身体を、彼は丁寧に拭きながら続けた。
「終わったら続きやらせてー」
「…っ」
…僕はもう、結構お腹いっぱいです…
心の中でボヤきながら…ようやく僕らはズボンも履いて、カウンターに向かった。
「お疲れー」
カイが出してくれた、おかわりハイボールをゴクゴク飲んでから、僕は煙草に火を付けた。
「ふぅー」
「すげー良い感じに仕上がったな」
「消耗度高いけどな…」
「あとは何やるか…」
「マスカレと神様はやりたーい」
「時間どれくらいなん?」
「…」
すっかり消耗して、カウンターのテーブルに、どっかりもたれかかっている僕には全くお構いなしに、3人様は、あーでもないこーでもない言いながら、曲順を決めていった。
「持ち時間少ないからな…無題と真夜庭は外そう」
「アンダー螺旋…マスカレワルツ…宵待ち神様…って感じか?」
「うん…いーんじゃないー?」
セトリが決まった所で、ふと思い出したように、シルクが言った。
「ちなみに、今度の会場って…幕とか無かったよな」
「…無いな」
「楽屋も狭いし…」
「あーカオルの処理問題の話ー?」
「…」
現実問題、それはかなり深刻かもしれない…
「でもさーカオルんちから近いんでしょー?」
確かに…
まさに地元なその店は…言ったら誰の家からも近いが…中でもいちばん近いのが僕の家だった。
「ハルトに連れてってもらうしか無いな…」
「えーまたハルトー?」
「消去法でハルトしかいないだろ」
「自力で移動出来るんならいいんだけど」
「それよか紙パンツにしといて、イっちゃえばいいんじゃないー?」
「あ、確かに…」
「じゃあ…神様でイかせる予定でいいか…」
「そーだな」
「よっしゃー」
「…」
何か楽しそうで…いいですねー
「…っていうか…よかったら、準備もカオルんち使わせてもらもらえないかな…」
カイが言い出した。
「えええー!?」
「前回やったときも、確かシルクんちで準備してったんだよね…」
「ウチよりお前んちの方が近いからな」
「やったー俺、カオルんち行くの初めてー」
彼等は、より一層楽しそうに捲し立てた。
「……」
「頼むよ…」
「…わ、わかりました…」
僕は、そう答えるしか無かった。
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