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いつもの2人
「これで終わりでいいんですか?」
ショウヤがシルクに訊いた。
「ダメか?」
「いえ、十分過ぎるほど…良い画は、いっぱい撮れましたけど…」
「じゃあこれでいいだろ」
「…クランクアップですか?」
「はい、お疲れ様でした!」
「はあーっ…終わったー」
僕は、大きく溜息をついた。
そして僕らは、建物の中に戻った。
リビングのソファーで、サエゾウがまた寝ていた。
テーブルの上には、飲みかけのハイボール缶が置かれていた。
そっと階段を上がって、寝室を覗くと…カイの隣のベッドで、ちゃっかりハルトも眠っていた。
「皆寝てるし…とりあえず先に風呂だな…」
「そうだね…シルクのせいで、ビッチョビチョになっちゃったからな…」
「イヤだった?」
「ううん…すっごく楽しかった!」
「一緒に入るか…」
「…うん」
僕らは、タオルと着替えを持って、浴室に向かった。
「あっ…」
そんな僕らの様子を見て…ショウヤが叫んだ。
「撮っても…いいですか?」
「ええっ…!?」
「だって…どうせお風呂で…イチャイチャするんですよね?」
「…っ」
「んーまあ…そうかもしらんけどな」
「そんな良い場面を、撮り逃すワケにはいきません!!」
よく分からない義務感に満ちた、真剣な表情のショウヤの強い口調に…僕らは、溜息をつきながら、頷くしかなかった。
そして…カメラを構えたショウヤも一緒に…僕らは浴室に入った。
「カオルさん、思い切って上着はそのままでいきましょう…そんで、脱がせながら、存分にイチャイチャしてください!」
「…」
僕らは、監督の指示に従って…ズボンは脱いで、シャワーの下に立った。
まあ…元々シルクは上半身裸だったので、フツーに裸になっちゃったけど…
「雨に降られた日を思い出すな…」
とても小さい声で言いながら…シルクは、シャワーの栓を捻った。
そう言えば…そんな事もあったな…
思い出した僕の耳に…シャワーの音が、まるで雨の音のように聞こえてきた。
「…」
僕の身体の奥の方で…何かが疼いた。
「んじゃ…遠慮なくヤるか…」
シルクはそう宣言すると、更にビショビショになっていく僕の身体を抱きしめて…すぐに口付けてきた。
「んん…ん…」
いつものように…
僕らはお互いに、容赦なく舌を絡め合った。
そうしているうちにも、僕の疼きはじわじわと大きくなり…シルクの舌の刺激によって、身体の力がどんどん抜けていった。
「はぁっ…あ…」
彼が口を離した瞬間…僕はガクンと膝を折った。
「おっと…」
慌てて僕の身体を受け止めたシルクは、僕を押さえたまま、浴槽の縁に腰を下ろした。
「せっかくだから…あっち向いてヤろうか…」
そう言って彼は…ショウヤがカメラを構えている方に向いて座り直すと…僕の身体もそっちへ向けて、自分の太腿の上に座らせた。
そして改まった感じに…後ろから僕の身体を、しっかりと抱きしめながら、僕の肩に顔を埋めた。
「…んっ…」
しばらく、その感触に浸ってから…シルクの手は、濡れてピッタリ張り付いたパジャマのボタンを、ゆっくり外していった。
全部は外してしまわないで…彼はそれを、じわじわと両側に開いた。
「んんっ…あ…ああっ…」
徐々に乳首が露わになっていく感覚に…僕はビクビクと震えながら身悶えた。
彼の指が…固く尖ったその先を、そっと捉えると…僕は更に大きく震え上がった。
「はぁっ…ああ…」
ビクビクと身体を捩らせる僕の…両方の乳首を、シルクは執拗に責め続けた
「あ…もう…イッちゃう…」
それを聞いた彼は、指先の動きを更に早めた。
「は…あっ…んんっ…ああっ…」
いきり勃った僕のモノから…
敢えなく愛液が吐き出された。
「はぁ…はぁ…」
息を上げる僕にお構いなしに…シルクは、脱力した僕の身体を持ち上げると…僕の中に、自分のモノを、ゆっくりと差し込んできた。
「んっ…んんっ…」
じわじわと、中のポイントを刺激しながら…それは容易に奥まで到達した。
大きくいきり勃った彼のモノが、僕の中でドクドクと脈を打つ度に…そこから新たな快感が波立ち、身体中に広がっていくのだった。
「…はぁ…あ…」
真っ直ぐに起こしていられない、僕の身体をしっかりと押さえ付けながら…シルクは、更に僕のポイントを刺激するように、ゆっくりと腰を揺らした。
「あっ…あ…はあぁっ…」
僕は、極点へと突き上げられた。
何度も、何度も…
「はぁっ…お願い…もう…イッて…」
絞り出すように…力無く僕は哀願した。
「しょうがないな…」
ふふっと笑ってそう言うと…シルクは、しっかりと僕の腰を掴んだ。
そして、今まで以上にグイグイと…自分のモノを、悦いように、抽挿させた。
「あっ…ああっ…」
激しく身体を揺らされながら…僕は更に昇り詰めた。
「んんっ…ん…」
やがて、彼のモノからも…液が吐き出された。
ビクビクと震えて、息を荒げながら…シルクは僕の身体を、しっかりと抱きしめた。
「はぁ…はぁ…さっさと…抜かないとな…」
言いながら彼は、若干覚束ない手付きで…僕の身体を少し持ち上げて、自分のモノを引き出した。
「…あっ…」
少しだけ残念な気持ちで…僕はまた、身体を震わせた。
「立てるか?」
「…ん」
ヨロヨロと立ち上がった僕の…パジャマをしっかり脱がせると…シルクは、シャワーヘッドを外して、僕の身体を流していった。
「…」
僕ら2人に向かって…ずっとカメラを回し続けていたショウヤは…ようやくカメラを下ろした。
「ありがとうございました!ものすごーく、素晴らしい、貴重な良い画を頂きました!!!」
僕らは、思い出したように…ショウヤの方を見た。
「よし…さっさと編集しよう…」
呟きながら、彼はいそいそと浴室から出ていった。
「…」
僕らは顔を見合わせて…ふふっと笑った。
「格好の裏ネタを提供しちゃったな…」
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