341 / 398

高額なバイト(4)

行為はどんどんエスカレートしていった。 幾度めかのターンでは、2人が同時にテーブルに上がってきた。 口にも指を突っ込まれ…乳首を転がされ… 秘部に指を挿れられながら…モノを愛撫された。 「…んんん…んっ…」 完全におかしくなってしまった僕の身体は、何度極点を迎えても…更なる快感を求めて止まなかった。 ピピッ… 本日何度目かのタイマーの音が響いた。 「はぁ…はぁ…っ…」 朦朧とする僕の耳元で、マナミが囁くように言った。 「チューしたり…挿れたり…してもいい?」 「…」 ダメ…やだ… 心の奥で、僕の理性が叫んだ。 しかし残念ながら…その理性を取り巻く僕の身体は…全く言う事を聞かないレベルに達してしまっていたのだ。 僕は… 息を荒げながら…小さく頷いてしまった。 「だそうですので…今夜はどうぞ、セカンドステージに進んでください」 ニヤッと笑ったマナミが、それを言い終わるのを待たずして…また数人が、テーブルに上がってきた。 セカンドステージって何よ… 思う間もなく…僕は彼らに組み敷かれた。 いつの間にか手枷は外されていた。 両手を高く持ち上げ押さえられ…誰かが思い切り…僕の口に舌を突っ込んできた。 「んんっ…」 まるでカイにされるように、その舌は激しく僕の口の中を掻き回した。 誰かの指が、僕の両方の乳首を捉えた。 ビクビクと反応しながら…僕はサエゾウの指を思い出してしまった。 そしてついに両足が開かれ… 誰かのモノが、僕の秘部にあてられた。 ああ…挿れられちゃう… その瞬間… 僕の脳裏に…彼の顔が浮かんだ… 「んんっ…んっ…」 いきり勃った誰かのモノが…グリグリと僕の中にねじ込まれてしまった… シ…ルク… 頭の中でその名を叫びながらも… 僕はそのまま…怒涛の快感に飲まれてしまった。 もう…何も考えられなかった 僕はその夜…彼らに、何度も何度も犯され…その度に、快楽の極点へと突き上がった。 意識は朦朧とし…秘部に痛みを感じながらも… その身体の火照りのせいで、意識を飛ばす事すら出来なかった。 どのくらい時間が過ぎたんだろうか… だんだん身体が落ち着いてきた僕は…テーブルの上にうつ伏せに倒れ、誰かに後ろから挿入されたまま…ふと薄目を開けて窓の外に目をやった。 夜景が、涙で滲んで見えていた。 「…っ」 それはそれは…とても美しかった。 シルクと…一緒に見たかったな… そんな事を思いながら… 僕はようやく…意識を失った。 気付くと、辺りはすっかり明るくなっていた。 ソファーに寝かされていた僕の身体には、毛布がかけられていた。 「…」 目が覚めたところで… 全く身体を動かす事が出来なかった。 横になっているにも関わらず…頭が眩暈を起こしているように、クラクラし続けていた。 必死に辺りを見回すと…少し離れたソファーに、マナミが同じように毛布をかぶって眠っていた。 …どう考えても、夢では無かったよな 僕は再び目を閉じた。 そして僕はふと…シルクと一緒に寝たときにみた、落ちる夢を思い出した。 もしかしてアレは、これを予知してたんだろうか… 「…」 僕は毛布を、バサッと頭までかぶった。 何も考えたくなかった。 どう…気持ちを処理したらいいのか分からなかった。 頭がポカーンと…白く虚無になっていくのを感じながら…僕は再び眠りに落ちてしまった。 僕は、LIVE会場にいた。 幕が開いた。 トキドルのメンバーが、ステージに立っていた。 あれっ… 皆はステージにいるのに、何で僕はここにいるんだ? 構わず演奏が始まった。 「今日もイっちゃってますねー」 その声を聞いて、後ろを振り返ると…ショウヤがカメラを構えていた。 「あ、すいません…ちょっとどいてもらえます?」 ショウヤが、撮影の邪魔になっている僕の肩を掴んだ。 「…ショウヤさん?」 僕は、少し泣きそうになって言った。 …と、ステージから歌声が聞こえてきた。 僕は慌ててまた振り返った。 「…!!」 そこで…3人に囲まれて歌っている人物を見て…僕はひっくり返りそうなくらい驚いた。 それは、紛れもなく…僕だったのだ! 何で!? 僕はここにいるのに…!? 「あれはね…過去のカオル」 「えっ?」 静かに冷たく…ハルトの声が後ろから聞こえた。 「今のお前は…もうあすこで歌えないでしょ?」 「…っ」 僕は振り向いて、ハルトに詰め寄った。 「だって…だってシルクが言ってたよ…経験値上げて来いって…」 「いくらシルクでも…金目当てで他の男相手に、そこまでしろとは言ってないでしょ」 「…」 「しかもお前は…その罪悪感を克服できやしない」 「…」 「残念だけど…トキドルはもう終わりだな…」 「…!!」 僕は再びステージを見た。 光の粒が舞い散っていた。 「いやだ…終わりなんていやだ…!」 僕は必死で、その粒に触れようと…両手を伸ばした。 次の瞬間…ドサッという激しい衝撃とともに… 辺りは真っ暗闇に暗転した。

ともだちにシェアしよう!