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謝罪のあと(2)

「ごちそうさまでした…」 「お粗末さまでした…」 シルクがそんな丁寧な挨拶をするなんて… 僕は、ふふっと笑いながら、食べ終わった空の食器を持って、立ち上がろうとした。 「いーよ…俺がやる」 そう言ってシルクは、僕を制止した。 「えっ…」 「疲れてんだろ…寝てろ」 「え、もう大丈夫だよ…」 「じゃあ、風呂入って寝ろ」 「…」 そしてシルクは、さっさと食器をシンクへと運んで、カチャカチャと洗い始めた。 「…」 僕は静かに立ち上がると…彼にそっと近付いた。 そして、食器を洗っている真っ最中の…その背中に、力強く抱き付いた。 「…おおっと…」 シルクは驚いて身体をビクッとさせた。 「…」 「ちょっと…やり辛いんだけど…」 「…」 それでも僕は…回した手に力を込めて離さなかった。 そして、絞り出すように言った。 「シルク…ありがとう…」 「…」 それを聞いたシルクは…ふふっと微笑みながら、諦めたように、僕を背中にくっつけたまま、洗い物を続けた。 全ての片付けを終えたシルクは、ようやく、自分の前の僕の両手を掴むと、ゆっくりそれを振り解いた。 そして僕の方を振り返ると、今度は彼の方から僕の身体を、ギュッと抱きしめてきた。 「…」 僕もまた、彼の背中に両手を回した。 しばらくそうして抱き合ってから…シルクはゆっくり身体を離して、僕の顔を両手で包んだ。 「さっさと寝てくれないと…押し倒したくなるぞ」 「…」 僕はその言葉に、胸の寒気を覚えながら…たまらないような目で、彼を見上げた。 「エロい格好鑑賞だけにしとこうと思ったのに…」 言いながらシルクは、そのまま僕に口付けてきた。 「…ん…」 安心安定の、シルクのくちびると、その舌使いに…僕の胸の寒気は、高まる一方だった。 鼓動は激しくなり…裏腹に身体の力は、どんどん抜けていってしまった。 「あーもう…」 口を離れた彼は、完全にポーッとしてしまった僕の顔を見て、溜息をつきながら言った。 「しょうがないな…」 そしてシルクは、そのまま僕を抱きしめたまま…隣の部屋の布団に、ドサッと倒れ込んだ。 「昨日はここで、カイさんに激しくされたんでしょ」 「……」 思わず、何となく申し訳ないような表情になってしまった僕を、ガッツリと組み敷いて、彼は続けた。 「今日は優しいシルくんが、してやるか…」 「…っ」 それを聞いて僕は…また、ふふっと笑った。 そして力無く両手を伸ばして、彼の顔を両手で押さえると…僕の方から口付けた。 何度も何度も、お互いを求めるように口付け合いながら…シルクは、僕のシャツの上から、既に尖った乳首を弄った。 「…んん…んっ…」 ビクビクと震えながら…僕も、彼のシャツを捲り上げて…素肌の背中を撫で回した。 「お前の手…冷たくて気持ちいい…」 ゆっくり口を離れたシルクは、そう言いながら、僕のシャツを、首元まで捲り上げた。 そして徐に、乳首に舌を這わせてきた。 「…んあっ…は…あ…」 彼は、そこをチロチロと舌先で舐めながら…もう片方の乳首を指先で転がした。 「んんんっ…ん…は…あっ…」 シルクに舐められてる… その刺激は、僕の快感を急激に湧き立てた。 既に露わになっていた僕のモノは…勢いよくビクビクと昇り詰めてしまった。 「…は…あ…出ちゃう…」 それを聞いたシルクは…舌と指の動きを、更に早めながら、もう片方の手を、僕の下半身に滑らせた。 「んっ…んんんっ…はあっ…」 彼の手が、僕の股間に到達するより先に…僕は敢えなく愛液を吐き出してしまった。 シルクは、いったん身体を起こして…僕の身体をきれいに拭いた。 そして今度は、僕の両足を広げると…僕の秘部に指を這わせてきた。 「ここは…止めとくか…」 言いながら、彼の指が…ヌルッと僕の中に差し込まれた。 「…んんっ…」 僕はまた、ビクビクッと震えた。 シルクの指が…僕の中を、探るように押し込まれてきた。 「ん…んんっ…は…あ…」 中をグリグリと刺激しながら…彼はまた、僕の乳首に口を寄せた。 「ふあ…あっ…ああ…」 その、両方からの刺激に…僕の身体は、再び快感の波に攫われ、飲み込まれていった。 僕は、何度も何度も…ビクビクと身体を震わせ続けた。 「…いれ…入れ…て…」 「…」 思わず強請ってしまった僕を、シルクは少し息を上げながら、見下ろした。 「痛いんじゃないの?」 「…ううん…大丈夫…」 力無く…それでも僕はキッパリと答えた。 それを聞いたシルクは…身体を起こして、僕の両膝をガッチリと押さえ付けた。 そして…自分のモノを、僕の秘部に押し付けた。 「…ん…あっ…はああっ…」 じわじわと、それがねじ込まれる感触に…僕は声を上げながら、歓喜の笑みを浮かべた。 ああ…シルク… ほどなく… 僕は、奥まで…シルクでいっぱいになった。 身体だけでなく、心までいっぱいに満たされるその感覚に…僕は溺れて夢中になった。 それは…それまでの他の人達との謝罪的行為とは… やっぱり少し違うように感じた。

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