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家を出てから 第七話

「ふぁ〜ゆき〜僕となんか約束事してなかった?」と眠たそうに言う 僕は悠羽に言われ、思い出し、「あっ、うん」と答えた 「なんだったの?」と不思議そうに聞いてくる 僕は誰もいないか、辺りをキョロキョロ見渡し、悠羽に言った「じ、実はね、運命の番と出会っちゃったの」と悠羽にだけ聞こえるように、少し、小声で言った 「えぇっ!すごいじゃん!」と興奮したように講義室に響く大きな声で言った 僕は誰かに聞かれたらまずいと思い「シーーーー」と悠羽に言ったが、悠羽は興奮冷めやらぬって感じだった 「ゆき!僕、詳しく聞きたい!」と言い、席に座った 僕は、悠羽に腕を引っ張られていやいや席に着いた あれやこれや、悠羽に玲央さんと出会った場所、1週間の出来事を全て吐かされた 話していたらなんか、急にどっと疲れが、、、 僕とは違い悠羽は目を光らせながら次の話を待っている そんな、悠羽を見て僕は「もう、終わりだよ、僕は逃げたんだ」と言った それを聞いた悠羽は悲しそうに「そうなんだ」と言った 少しの沈黙があった後、悠羽は疑問そうに「なんで逃げたの?」と聞いてきた 「ん〜それは、、、、」と僕は言葉が出なかった また、沈黙が続き悠羽が口を開いた「ゆきはそれでいいの?逃げちゃって」 僕はその言葉を聞いて戸惑った、自分は逃げたくなかった、一緒に居たかったでも、、、「うん、僕は逃げて正解だったと思う、だって、運命の番の幸せが僕の幸せだから」 「僕と、その運命の番が一緒にいてても、運命の番さんは幸せになれないと思うんだ」 「なんでそう思うの?」と聞いてきた 「そ、それは、、、、僕は、地味で、不細工だから、、、」 「ん〜2人の関係はわからないけどさ、僕は容姿とか関係ないと思うよ、それにゆきに後悔して欲しくないな、運命の番と出会って」 それを聞いて僕は良い友達を持ったなと思ったと同時に、自分は今後悔してるかと考えた 悩んだ末、僕が導き出した答えは後悔してないだ だって、僕が玲央さんの立場だったら、こんな不細工にまとわりつかれて嫌だと思う 僕は玲央さんの気持ちを優先させることしか出来ない 僕が駄々こねて、玲央さんと付き合いたい!とか番になりたい!とか思っちゃっダメなんだ それは、名家でもない、普通の家だったらまだ良かったかもしれないが、貧乏だ 僕は2日間ずっと、釣り合う方法を考えていた どうしたら、隣に歩けるようになる?どうしたら僕は、玲央さんに付き合ってもらえる? そんなことが頭の中でぐるぐる回っている こんな自信ないやつと居ても利益に繋がらない 結局、釣り合う方法は見つからなかった 僕は自然と下を向いていた そして、握りしめていた手に涙が落ちた 僕の顔と、落ちた涙を見て心配そうに悠羽が「大丈夫?」と声をかけてくれるけど、僕は涙は止まらなかった

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