9 / 13

ガルム 1.明日を生きる「私」へ

死ぬ、という感覚はもう二度と味わいたくはない。だからこそ私にはいつも長生きをしてほしいと思っている。 この体が、その体が死ぬことを経験しなくてもいいように。 苦痛で終わらせたくはないと思う。 だから私は愛するのだ。君を、私を。それが永遠ではないと知りながら。 ああ、気づかないでほしい。私がふとした時に君を思っていることを。 それでも愛は受け取ってほしい。 我儘。 どうか起きないで。今夜はゆっくりと眠っていて。 ゆっくりお休み、キサラギ。

ともだちにシェアしよう!