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第4話
そして迎えた、初めて麻生さんとプライベートで会う日。
職場の前で待ち合わせると、近所のショッピングモールの中にある食料品店まで、僕は麻生さんと歩いて向かっていた。
「へ〜!!!お前、1号棟なんだ。いいな〜新築の官舎」
「でも、単身用なので割と狭いですよ?」
「あぁ、それはちとキツいなぁ。俺、こんな身体だから狭いのは極力避けてぇんだよ」
そう話す麻生さんの着ている黒のTシャツは、前回の飲み会の時同じく腕と胸の辺りがぴっちりとしていた。
あぁ。
麻生さんの身体に触れたい。
今日、家に誘い込む事に成功したら必ずそう出来るのに。
笑顔で話す麻生さんを見ながら、僕は計画している事を実行させたいと思っていた。
お店に着くと、僕はワインを見ながら自分なりに学んだ事を麻生さんに伝えた。
「流石だな。赤ワインも気になるけど、今日は暑いから、炭酸入ってるのを飲みてぇな」
「でしたら……」
麻生さんの好みを聞いて、店内の冷蔵庫にある辛口のスパークリングワインをおすすめしてみる。
「んじゃ、これにするかな」
「麻生さん、僕がご馳走しますから良かったらこの後家で飲みませんか?」
僕は思い切って誘ってみた。
「お?いいのか?おじさん、甘えちゃうよ?」
よし。
上手くいった。
家に連れ込めばこっちのものだ。
「んじゃ、つまみは俺が金出すよ。それでお相子って事で」
「ありがとうございます」
スパークリングワイン数本と一緒に売っていた缶ビール、そしておつまみになりそうな食品を買うと、僕は麻生さんと自宅に戻る事に成功した。
「お邪魔しまーす!!」
麻生さんは何の疑いもなく僕の部屋に入ってきてくれた。
「今、準備しますから適当に寛いで下さい」
「おう、サンキュー」
リビングにあるテーブルにビールとすぐに食べられるスナック菓子を置くと、僕はワインを1本だけキッチンに残して後は冷蔵庫にしまう。
そして。
ひとつだけ持っているワイングラスに密かに購入していた液状の睡眠薬を麻生さんに気づかれないよう入れると、何食わぬ顔で麻生さんに渡していた。
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