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第7話

「はぁっ……あぁ……はぇ……???」 しばらく余韻に浸って気持ち良さそうな顔をしている麻生さんを見つめていると、麻生さんが目を覚ましてしまう。 まずい。 後始末をして何もなかったようにしてから麻生さんを起こそうと考えていたのに。 「え……っ、俺、なんで……?」 麻生さんは何が何だか分かっていないようだ。 それなら……。 「麻生さん、欲求不満なんですか?お酒がまわってウトウトしだしたと思ったら、突然起きて下半身を露出して僕にイかせてくれっておねだりしてくるなんて……」 「マジか……俺、そんな事言ったのか……?」 「そうですよ。乳首が弱いから触って欲しいとか、僕に色々と具体的にお願いしてきたんですよ?」 「そう……なのか……」 咄嗟についた嘘だったけど、麻生さんは僕の言う事を信じた様でお酒で赤らんでいた顔が更に赤くなっていく。 「す……済まん……昨日の明けの時に疲れてて抜くの忘れちまって……」 聞いてもいないのに自分の性事情を話してくれて、僕は理性を失ってしまう。 「……そういう事でしたら、今後は僕がいつでもお手伝いしてあげますよ、麻生さん……」 「な……お前何言って……」 驚いている麻生さんの顎を掴むと、僕はキスをしていた。 「ぁ……んうぅ……ッ……」 薄らと開いていた口に舌を滑り込ませると、舌で歯列をなぞるそうに触れた。 麻生さんは僕の行為を拒まず、僕が唇を離すまでただその甘い吐息を聞かせてくれた。 「……好きなんです、麻生さんの事が。だから麻生さんが欲求不満なら、僕が満たしてあげたい……」 「涌井……」 麻生さんに抱きついて耳元で言うと、麻生さんが僕の背中に手を回してくれる。 「こんなおじさんに惚れるなんて、お前も物好きだな。けど、嬉しいよ。好きだなんて長い事言われてなかったから」 「麻生さん……」 あぁ。 この人は本当に綺麗な心の持ち主なんだな。 僕からの突然の告白も、僕を思って受け入れてくれて、傷つけないような言葉を返してくれて。 絶対。 絶対にこの人を離さない。

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