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第60話 現実となる憂慮
それから半年後。俺の憂慮が現実となる。
2人目の男の子が、……産まれた。
郭騎を授かった後、俺は精液を渡した覚えはない。
腹が大きくなってきた澪蘭が、2人目が出来たと告げてきた。
どうやって妊娠したのかと問うた俺に、澪蘭は郭騎を授かった時に保存しておいた受精卵だと宣った。
健全な若い女。
妊娠しづらい身体という訳ではなく、そういう行為がなかっただけ。
卵子を取り出すというような身体に負荷のかかる方法を、初めから選択するとは考えにくかった。
怪しいとは思ったが、妊婦である澪蘭にストレスをかけるのは憚られ、俺はその言い訳を無理矢理に飲み込んだ。
天原に掛かりっきりだった三崎と会うのは、久し振りだった。
恋人同士の甘い睦言ではない俺たちの行為は、獣と同じスタイルを取る。
単なる欲求の解消でしかない行為に、愛はなく、俺は後ろからしか三崎を抱かない。
「………はっ、…くっ」
俺の喉の奥から押し出されるのは、恥じらいなど持ち得ない本能のままに貪る雄の呻きだ。
痺れる腰の震えに、薄いゴムの膜の中へと無駄撃ちする。
じわりと熱せられた腹に、きゅぅっと俺を締めつけ、痙攣にも似た震えを起こした三崎の身体から、がくりと力が抜ける。
腰だけを高く上げていた三崎の身体が、ベッドの上で、ぺしゃりと潰れた。
コンドームを残したままに抜けてしまいそうなペニスに、その腰を追い、身体を被せた。
片手で上体を支えながら、挿入 っているペニスを抜こうと、コンドームを押さえた方の手首が、きゅっと掴まれる。
「いつも以上に、上の空だったね?」
目尻が赤く色づき、涙が揺蕩う艶 かしい瞳が、俺を振り返った。
「……そうか?」
白 を切ろうと、淫靡に見える三崎の瞳から逃れるように、視線を股間へと向ける。
三崎に掴まれたままの手で、外れそうになるコンドームを押さえつつ、腰を引く。
「………ぁ、………ん……」
ずるずると引き摺り出すペニスに、刺激された襞が名残惜しげに絡みつく。
ぞわりと走る痺れに、三崎の手が俺を解放する。
ぐちゅりと粘っこい音を立て、抜け出たペニス。
食むものを失った孔が、元の形状に戻ろうと足掻き、ゆるゆると開閉を繰り返す。
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