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第七章・5
「少しは気にしている、と言うわけか」
利実が、今後どう出るかが気にはなったが、啓もまた眠たくなってきた。
明日も、勤務がある。
「おやすみ、亜希」
彼を胸に抱くようにして、啓は丸くなった。
温かな、命のぬくもり。
それを感じながら眠るのは、とても心地よかった。
夢には、亜希が出てきた。
『啓さん。おめでとうございます』
『何か、祝われるようなことがあったかな?』
『今日は、啓さんの結婚式です』
『そう、だったか』
『あちらで、利実さんがお待ちですよ。さあ、行きましょう』
『いや、待て。待ってくれ』
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