59 / 146
第十一章・2
亜希は、なかなか寝付けなかった。
隣の啓は、すでに規則正しい深い息をしている。
彼を起こさないように、そっと首を動かしたり、寝返りをうったり。
そんなことを繰り返していたが、眠れなかった。
「啓さん。辛いだろうな……」
小さく、つぶやいてみる。
「僕、何か啓さんのためにしてあげたい」
僕が、今できること。
それは、一つしかなかった。
亜希は啓を起こさないように気がけて、掛布をはいだ。
彼のパジャマに手を掛けて、そっと下にずらした。
「啓さん……」
そして、啓のペニスを手に取り、静かに口づけた。
ともだちにシェアしよう!