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第十一章・5
亜希の愛撫は、熱を持っていた。
一生懸命に手を、指を。
唇を、舌を動かし。
啓を高みに昇らせようと、がんばっている。
寝たふりを続ける啓だったが、その体はどんどん疼いてくる。
性毛が逆立ち、局部がそそり勃ってくる。
これではもう、眠っている方がおかしいだろう。
「亜希。ありがとう」
「……啓さん!」
慌てて亜希は、口を離した。
啓は、仰向けに寝たまま、彼に声を掛けた。
「すっかり元気になってしまったよ」
「ごめんなさい。起こしちゃって」
「亜希は、どうだ? 君のここは、どうなってる?」
「ひゃっ!」
素早く起きた啓が亜希の内股に手をやると、そこは充分硬くなっている。
恥じらい、戸惑う亜希にすり寄り、啓はささやいた。
「こうなってしまった以上、スッキリさせないと眠れないな」
「……ご、ごめんなさい」
謝ることはない、と啓は亜希を優しく横たえながら言った。
「君とこうやっていると、嫌なことも消えてなくなる」
「啓さん……」
良かった、と亜希は安堵した。
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