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第十四章・4
亜希は予備校から啓のマンションへ帰り、宿題を片付けていた。
今日は遅くなる、との啓の言葉だ。
先に寝ていていいから、と彼は言っていたが、亜希は起きていようと考えていた。
「最近の啓さん、寝酒が多いみたいだから」
酒量が増すと、体に毒だ。
亜希は啓の健康を案じて、酒の代わりに温かなハーブティーを淹れるつもりだった。
そして、二人で穏やかに休むつもりだった。
だがその時、突然の侵入者が現れた。
「すっげえマンション」
「内装、ヤバいって」
「これ、北欧家具?」
数名の若い男たちが、どやどやと上がり込んできたのだ。
「あ、あなたたちは!?」
悲鳴にも似た亜希の声に重なって、聞き覚えのある声がした。
「亜希くん、こんばんは」
「利実さん?」
男らをかき分けて、利実がその姿を見せた。
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