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第十四章・5
「こんばんは……。あの、啓さんなら遅くなるって言ってましたけど……」
「うん。でも今日は、亜希くんに用があって」
にんまりと笑う利実の視線は、不気味だ。
何か、災いの臭いがする。
「亜希くん、一緒に遊ぼう」
途端に、周囲の男たちが薄ら笑いを浮かべた。
口々に、汚い言葉を吐き出した。
「亜希くん、上玉」
「マジ、俺好み」
「早く始めようぜ」
うん、と利実はうなずいた。
「じゃあ、スタート!」
その声に、男たちは一斉に亜希へと躍りかかってきた。
「や、やめてください!」
袖を掴まれ、亜希は叫んだ。
「大人しくしろ!」
男の腕を振り払い、亜希は逃げ出した。
(この人たち、僕をレイプする気だ!)
部屋中を必死で逃げ惑う亜希を眺めながら、利実はスマホを取り出した。
「もしもし、啓さん?」
笑顔で楽し気に、啓へ電話をした。
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