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第十五章・3
亜希は息を切らせて、最後の部屋へ逃げ込んだ。
そこは、啓が与えてくれた、プライベートルーム。
亜希の、勉強部屋だった。
しかしここは、行き止まりでもある。
もうどこへも逃げ場所を失った亜希は、必死でデスクの下に潜り込んだ。
だが、男たちは笑いながらそれを眺める。
指をさして、からかう。
「亜希くん、そんな所に逃げたって、無駄だよ」
「さ、お兄さんたちと一緒に、遊ぼう」
「出ておいで~」
男の一人が、亜希の細い腰を後ろから掴んだ。
ただの一引きで、華奢な亜希はデスクの下から引きずり出されてしまった。
「イヤです! お願い、放して!」
もがく亜希の体を複数の腕が押さえつけた。
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