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第十六章・4
パジャマを着てベッドに横になった亜希は、疲労からすぐに寝込んだ。
しかし、悪夢にさいなまれているのか、身じろぎ、うめき、悲鳴を上げた。
「亜希くん、僕が。僕がついてるから、大丈夫だよ!」
利実は、亜希の手をとり強く握った。
それで少し安心したのか、亜希は次第に静かになった。
ようやく、静寂を取り戻したマンション。
その中で、利実は後悔の涙をこぼした。
「僕、なんて酷いことを……」
初めて利実は、人の痛みを知った。
しかし、知るのが遅すぎた、とも思った。
「啓さん。僕のこと、嫌いになるよね。きっと」
その啓の声が、聞こえてきた。
ばたばたと、慌ただしい足音がする。
「啓さん! こっち! 寝室!」
利実は、声を張った。
すぐに啓は、亜希の元へと駆け付けた。
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