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第十九章・5
亜希の体内に、啓の熱い精がほとばしった。
長く、強く、たっぷりと。
時間をかけて、啓は亜希に愛の証を渡した。
「う、うぅ、あ! はぁ、はぁ、あぁああ!」
「亜希、好きだ」
全てを出し尽くしても、亜希の体は小刻みに震えていた。
余韻と言うには、あまりにも激しいエクスタシー。
啓も繋がったまま、亜希の体を撫でさすった。
すぐに離れるには、惜しい。
いや、いっそこのまま一つに溶け合ってしまいたい。
そう思わせるほどに、啓は充足していた。
「うぅ……。啓さん……」
「大丈夫か?」
亜希は、愛する人を迎え入れた喜びに満たされていた。
同じ行為でも、10万円と引き換えに許した過去とは大違いだ。
甘い恋慕が、胸いっぱいに広がる。
「啓さん。愛してます」
素直な言葉が、口をついて出ていた。
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