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第二十一章・2
『薬物の投与を続けるしかない、ですね』
『先天性の血管異常、ですか。オメガの患者では、よく見られます』
『手術に耐えられる体ではないとなると、私ではお力になれません』
このような声しか、聞くことができない。
啓は初めて、現代医学の限界をうっすらと感じていた。
「しかし。しかし、諦めるわけにはいかない」
それでも、必死で模索する啓だ。
過去の症例を紐解き、亜希と同じような患者がいなかったか検索した。
患者は、数名見られた。
どれも、第二性がオメガの患者だった。
そのたびに啓は、目の前が開けた心地を感じたが、同時に絶望もした。
彼らは誰もが、若くして亡くなっていた。
決定的な治療法に巡り合えないまま、病に倒れていったのだ。
「亜希……!」
汗と、溜息と、そして涙を吐きながら、啓は亜希を生かす方法を探っていた。
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