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第二十二章・2
「賭けになる、かもしれない」
失敗すれば、逆に亜希の寿命を縮めかねない治療法だ。
それを、啓は案じていた。
しかし亜希は、落ち着いていた。
「僕、啓さんを信じています。大丈夫です」
「亜希」
「この手術、受けようと思います」
「よく言ってくれた」
でも、と亜希は少しうつむいた。
「そうなると、今年度に受験して大学へ進むのは、諦めないといけませんね」
「すまない。だが今は、長い目で人生を見て欲しい。健康を取り戻せば、いくらでも挽回はできるんだから」
「はい」
二人は、静かに抱き合った。
他に誰もいない病室で、そっと唇を合わせた。
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