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第2話

「オレ、オレはそんなつもりじゃ・・・」 そのベータはそう言って身を捩って逃げようとした。 そんなつもりじゃなかったのは分かっている。 こっそり片思い、いや、憧れていた先輩に仕事だと誘われて、ただ少しでも一緒にいたくてついてきただけだ。 まさかベータの自分に手を出すなんて、思いもしてなかったのだろう。 「じゃあその気になって?」 甘く囁き、抱き寄せて膝に乗せ、もうシャツを脱がせた胸を撫でた。 可愛い乳首を手のひらで転がすようにして。 オメガとは違って、簡単に解けない身体が面白かった。 オメガならコレで甘く鳴くところを、微かに震えるくらいなのがたまには新鮮でいい。 でも、感じたくせにまだ逃げようとするから、乳首を強く摘んでやると、苦痛の声をあげた。 謝るように首筋に優しいキスをして、優しく項を舐める。 オメガではないが、綺麗な項で、そこを甘く噛んだなら、ヒクンと身体をふるわせた。 オメガじゃなくても、ベータもここを噛まれたがるようになるのをアルファは知ってる。 ここをあまく噛まれて、後ろの穴を貫かれながらイキ狂うようになる。 どんなベータも最後には。 でもまた逃げようとするから。 ベータのズボン下着ごとをずらしてペニスを直接扱き始める。 アルファの強い大きな身体にかかれば、細身のベータ等子供同然だ。 容易くペニスをさらけ出され、そうされてしまう。 そこは。 逃げようとしているくせに、もう硬くなっていたから、扱きながら小さく笑ったら、ベータは真っ赤になった。 その気はなかったけれど、逃げようとしているけれど、でも。 アルファに抱きしめられ、触られていることに興奮もしているのは事実だと示されて。 「俺が好きでしょ?こうされること、想像したんでしょ?」 アルファが囁いたなら、くシャリと顔を歪めたからそうだとバラしてしまうのが可愛い。 ベータの、まして、それほど目立たない男がこっそりアルファを恋してるなんて、隠したいことなのは間違いない。 美しくて綺麗なオメガに叶うわけがないのだから。 でも。 妄想の中なら許されると、自分でオナニーしていたかと思うと可愛い。 ベータの男は想像くらいでしかアルファに近寄れないものなのだ。 オメガはベータ普通の男達とは全く違う。 その身体の構造から何もかも ベータの女性とも男性とも。 アルファのためにいるのだから。 ベータたちはアルファもオメガも遠巻きに見る。 だが、意外と。 遊びでならこういうベータをアルファはキライではなかったりする。 地味で、男以外何者でもないが、だがそれにはそれのおもしろさはある。 「男とシたことないんでしょ?」 アルファは言いながら、ゆっくり膝にのせたベータのペニスを扱いてやる。 男に抱かれたことがあったところで、アルファとなると話は別なのだが、怖がらせる必要はない。 これが終わる頃には、もう普通の男では満足出来なくなるだろうが、男とするのに抵抗なんてなくなるのは間違いない。 アルファの淫らな指にもうベータは抵抗できない。 可愛く喘いでいる。 オメガなら、後しろの穴で最初から楽しめるが、そうはいかないめんどくささも、遊びとしてなら楽しい。 「後ろまで使えるようにしてあげる」 アルファはそっとまだ硬い閉じた穴をなぞりながら、ペニスを扱いてやった。 もう逃げることを忘れて大きなアルファの身体にもたれかかっているベータは身を震わせたけれど、動かす手に合わせて腰を揺らしていたし、もうこの手に堕ちていた。 「三日ある。楽しもう」 囁いた。 仕事だと言ってここに呼び込んだのだ。 三日間ここに閉じ込められるように。 アルファに恋はしていても、誰ともセックスもした事のない隠れゲイのベータを、男に抱かれる身体に変えるという遊びのために、わざわざ三日を用意した。 仕事用だと偽るマンションまで借りて。 仕事で呼ばれたと思っていただろうこのベータが、もう抵抗しないことはわかってた。 遊びなら。 遊びなら。 3日だけなら。 そう説得しているのはアルファではなく、もうベータのほうだからだ。 ベータには想っていることをも隠したかった片思いだった。 身の程知らずだと自分でもわかっている。 アルファに美しいオメガの番がいるのも知っている。 だが。 だが、遊びで、誰にもバレなければ? 「三日間だけの恋人だよ。誰にも言わない。この三日間俺は君だけのものだよ。この事は俺と君しか分からない」 罪悪感を消してやる。 ベータは泣いた。 泣いてるくせにアルファの手の中に射精した。 人の手でされる初めての射精は気持ち良く、何よりそれは絶対に自分を抱くと思えなかったアルファの手によるもので。 「誰にも・・・言わないで・・・」 小さくベータ言ったから。 震えて泣きながら言ったから。 落ちた。 この手の中に。 もう約束は成立した。 楽しく三日間。 ベータで遊べる。 同意の上で。 「誰にも言わないよ」 優しく言うと、泣きながら震えているベータに舌の使い方をまず教えるためにキスをした。 閉じた唇を舌でこじ開けるのも、縮こまった舌をうばうのも楽しかった。 新品のおもちゃ。 楽しむことにした。

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