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第9話

番のオメガはもちろん抱いていた。 ベータと会わない日以外は。 抱かずにはいられない。 オメガの身体を求めずにいられないのはアルファの本能だ。 胸を齧り、項を噛み、舌を味わう。 どこを味わっても甘くて美味い。 甘い蜜を零す穴を舐め、思うまま満足するまでそこを貪った。 巨大なペニスをなんなく受け入れ、なのに締め付けてくる、その穴。 絞りとられ、絡まれ擦られ、腰が止まらなくなる。 オメガは。 最高だった。 誰も代わりにならない。 でも、オメガは今日は嫌がった。 いつものように抱き寄せてだこうとしたら逃げようとした。 嫌がっても。 オメガの項を噛んで服の上から乳首を摘み胸ごともみながら虐めたなら、身体はもう溶けてしまう。 「嫌だぁっ」 そう怒るくせに、消えない噛み跡の残る項を噛んで、凝る乳首を指で擦り合わされたなら、感じ始めて言葉以外の抵抗は消える。 ああっ ふうっ はぁっ 喘ぎ鳴き始めてしまう。 女のように発達したオメガのいやらしい乳首。 アルファが大好きな場所だ。 舐めても、甘く、しこったそこを指でしごいても、甘く高い声でこんな風に鳴く。 頭がおかしくなるくらいいやらしい。 イクっ イクっ そう言って身体を震わせて、オメガがイクまでオメガの乳首で楽しみ続けた。 ズボンを脱がせたなら、その穴はもう濡れてて甘い匂いがして。 舐めてしまえば、オメガは声を上げてさらに感じ出す。 夢中で舐めて、アルファはケモノのように唸る。 舌を入れてこそぎ取り、もっと蜜を出させるためにオメガのペニスを扱きながら舌を深く差し入れる。 嫌だ キライだ やめろ 感じてソレでイクくせに、中をありえないくらいに蠢めかせてくるくせに、オメガが泣き叫ぶ。 尻を振って穴を舐められ感じているくせに。 お前は俺の番だ。 アルファは言う。 俺だけの、俺の、番だ。 俺を拒否することは許さない。 それは本能のままの言葉だった。 オメガの身体もそれを認めていた。 アルファの舌で中を舐められ、その指でペニスをしごかれるだけで、おびただしく溢れさせ、感じているのだから。 いいっ イクぅっ オメガが泣きながら叫び、それを認める。 互いの身体が1番良い、いや、オメガはもうこのアルファだけのための身体になってしまっているのだ。 アルファのために穴の形も変わって。 アルファのペニスだけにじゃない、指や舌もこのアルファのモノだけは特別に感じるようになっている。 発情期をおさめられるのも、このアルファだけで。 俺のが好きだろ 可愛い俺の番 アルファはガチガチの巨大なペニスで、オメガの穴をなぞりながら言う。 穴がひくつき、欲しがってパクパクしている。 ヨダレのように穴から零れ出していく。 穴に浅く食い込ませると、欲しがるように吸い付いてくる。 ああやはり、オメガが一番欲しくて抱きたい。 そうアルファは痛切に思う。 頭がおかしくなりそうな程。 オメガのいやらしい柔らかい尻は、穴をなぞられるだけで欲しがるように動いてしまう 。 オメガは悔しそうに泣いた。 アルファと同じ位、オメガもアルファが欲しいのだ。 だが、今日のオメガはそれを認めたくなかった。 「ベータとシてるくせに!!」 泣いて怒った。 アルファは何も言えずに固まった。 バレていた。 いや、隠しきれなくなっていた。 オメガの怒りは今までの浮気に対する怒りとは明らかに違った。 それはアルファもそうで。 今回だけはオメガにバレてたじろいだ。 今までなら気にするな、愛してるのはお前だけだ、ベータなんてといってきたのに言えなかった。 むしろ嫉妬するオメガが可愛いと楽しめるくらいだったのに。 「同じベータと何度もなんて。そんなの今までなかった!!」 オメガが怒鳴ったから、それが事実だったから、もうそれ以上言わせないためにペニスを突き立てた。 答えられない言葉は封じてしまうしかない。 柔らかい肉に突き立てる感触に声を上げたのはアルファもオメガも同じだった。 その穴はたまらなく良かった。 柔らかく熱い肉。 絡む襞、複雑な動き。 熱くて、欲しがって、ここは自分の場所だと教えてくれる。 犯シタイ 喰イタイ 壊シタイ 本能が叫び、それに応える本能が悦ぶ。 一突きごとに、求められ、絡みつかれ。 やはり番が1番いい。 ああ、子供を産ませたい。 孕ませたい。 本能は叫ぶが、まだ発情期ではないから子供は出来ない。 でも。 始めてしまえば、オメガの穴より美味いものはなかった。 ベータと本気だなんて 僕をバカにして オメガが叫んでいたが、もうどうでも良くなっていた。 オメガだって、もうどうでも良くなる。 直ぐに何も言わなくなって、ただ、快楽だけに焼かれていく。 アルファは吠えていた。 吠えながらオメガを犯す。 アルファがどれほど激しくオメガをむさぼるのかはオメガしか知らない。 もちろんオメガも獣になる。 もう甘いなどとは言えないオメガの声は狂気のような快楽を示していた。 いやらしくオメガの尻は揺れ、中からも搾りとり蠢く。 獣のように叫び合う。 穴を穿つ。 欲しくてたまらない。 もっと貫いて、もっと喰らって、もっとつらぬきたい。 抉って、捏ねて、回したい。 そしてそうする。 アルファが本来の姿に戻れるのはこの時と、アルファ同士で争う時だけ。 争い奪い合うだけの獣に戻れる瞬間は、解放であり、それを受け入れることが出来るのは番のオメガだけ。 殺すような、壊すような、奪うような、それをぶつけても、オメガだけはそこからさらにアルファか奪って、アルファを狂わせるのだ。 いいっ いいっ そう、叫んでいるのはアルファだ。 誰を抱いても我をわすれないのに、番が相手だと全ての箍が外れる。 俺のだ!! 俺の!! 俺のだ!!! 叫びながら、激しく自分をぶつける。 敵である他のアルファと、オメガだけが、その攻撃性を受け止める。 喰らって奪って犯す生き物。 それがアルファ。 中で出されて身体は喜び、もっともっとと、欲しがるくせにオメガは泣いた。 ベータに本気になるなんて、と。 酷い、と。 否定出来なかった。 遊びだと宥められなかった。 だから、真実を言うしかなかった。 お前は俺のオメガで何があっても手放さない。 逃がさない、絶対に、と。 それでも嫌だ止めろと泣くから。 そのくせ、全身で悦んでアルファに応えているから。 欲しがっているのはオメガも同じだと言葉でも、理解するまで犯し続けた。 アルファとオメガにしか出来ないセックスで。 俺のモノだ。 絶対に逃がさない そう叫んでどこまで深くを穿ち、自分の形のその場所を心ゆくまで擦り上げた。 喰らい尽くした。 自分のオメガ程美味いものはかった。 ベータなら少し本気を出したなら入院するようなアルファの本気を受け止められるのはオメガだけ。 オメガが1番望むように抱いてやれるのもアルファだけ。 そして、発情したら欲しくてたまらないのはオメガだと言うことを思い出させるくらいに、手加減無く抱いた。 オメガはもちろんそんなセックスを受け入れた。 本能ゆえに。 欲望は果てしなく、貪り合うセックスに狂った。 それがアルファとオメガだったから。 最後に泣いたのは。 アルファだったのか。 オメガだったのか。 離れられないことを確認し合ったのだ。 これはももう、本能だった。 終わらせなければ アルファはやっと悟った

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