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第20話 カラスによる福音書2

カラスのはなし2 俺様は今日もろーすとびーふの為に、ダザイの様子を見に来る。 いつもの席から、白い部屋を見ているが今は誰も居ないらしい。 暫く待っていると、この間、ダザイと一緒に居た小さいのが入って来た。 と思ったら白いところに倒れて動かなくなった。 死んだのか? まぁ、俺様にはどうでもいい。 また暫く待っていると、ダザイが白い部屋に現れた。 これから隣の小さい箱に行くんだなと思っていたら、倒れて動かなくなった奴の隣にずっと立ってて動かない。 何してるんだ?アイツ? 俺様は気が長いから待っててやるけど。 暫く見てると、ダザイは小さいのの隣に座り込んだ。 もしかして俺様は、まだ待たなきゃいけないの? ダザイはしきりに小さいのの頭を撫でている。 小さいのはもぞもぞしてるだけで、一向に目を開けない。 ダザイはなんだかとっても優しそうな眼をしてた。 また暫くするとダザイは立ち上がった。 それから、小さい箱に入る。 俺様は、やっと自分の出番が来たと待ちきれなくて、枝から枝に飛び移る。 なんたって俺様のろーすとびーふが待っている!! ダンスだって踊れるぜ!! ダザイが窓から顔を出したので、俺様は勢いよく飛び立つ。 そういえば伝言があったっけな?? 「日曜午後一時半に元老院に二人で来いだってよ。」 よし! 俺様ってば、完全完璧超イケメン! ダザイは分かったとだけ言って、宝物交換券を俺に手渡した。 俺様はそれを受け取ると、天高く舞い上がる。 ひょー!今日は快晴だぜ! 俺様の空最高! それにしてもダザイの奴、何だか嬉しそうだったなぁ。 俺様が来るときは決まっていつも無表情でつまんなそうにしてるのに、今日は違ってた。 ダザイも、あんな朗らかな表情することがあるんだなぁ。

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