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第24話 R18

僕は夢を見ていた。 僕は保健室にいて、裸でベッドに横になっている。 そして僕の上には、跨るようにして太宰先生が覆い被さっている。 「せ、んせぇ。だざい、せん、せぇ。」 僕は、僕の今まで知らない声を出しながら先生のことを呼んでいる。 僕が先生の名前を呼ぶと、柔らかく嬉しそうに微笑んでくる。 「おうし、好きだよ。」 先生は囁くように、僕の耳元に顔を近づけながら言った。 それから、緩く柔らかく僕の髪の毛に指を絡ませ何度も撫でる。 「好きだよ。」 鼻と鼻、額と額をくっつけ合わせて、先生が囁く。 「好き。」 僕は先生に抱き竦められる。 先生の細く、でも筋肉のあるしなやかな腕が僕の躰を包む。 「好き。」 何度も何度も、うわ言のように先生は呟く。 「好き。」 先生の手は、しきりに僕の髪を撫ぜ、指を絡める。 耳元でその掠れる音が聞こえ、冷たく柔らかなそれがふわりふわりと触れる。 擽ったくて、でも温度が気持ちよくて、僕は先生の背中に腕を回す。 「好き。」 先生は、何度も何度も呟いてくる。 そして、僕の首筋に舌を這わせた。 じっとりと、湿り気のある体温が僕の首を侵してゆく。 ちゅくちゅくと耳まで含まれると僕から声があがる。 「っあ、ふぁ、ふ、あ、ぁぁ。」 「好き。おうし。」 先生の低い声が耳の直ぐそこで打つ。 先生の唾液が僕のこめかみをベタベタに濡らしてゆく。 「好き。」 先生が、ゆっくりと僕の躰を汚してゆく。 僕は懸命に、先生に伸ばした腕にぎゅうぎゅうと力を入れる。 「おうし、好き。」 先生によってぐちゅぐちゅになった躰が疼き始める。 僕は、僕の躰をぎゅうぎゅうと先生に押し付けた。 それに応じて、先生も先生の躰を押し付け返してくる。 「おうし、好き。」 終始それだけを、先生は口にする。 僕もそれに応える。 「先生が好き。太宰先生が好き。好き。好き。すき。」 すると、先生は今までずっと僕の躰を蹂躙し続けていた頭を持ち上げた。 その顔は涙で濡れそぼり、兎のように眼を真っ赤に腫らしている。 だけど、瞳は穏やかで、くすぐったい程幸せそうな笑顔を僕に向けていて。 僕はがばっと飛び起きた。 なんだこれ!!! 僕は肩でぜーぜーと息をする。 夢から覚めると、全身にじっとりと嫌な汗をかいていた。 その不快感に顔を顰める。 なんて夢を見たんだろう。 嫌悪感に苛まれながら、水を飲もうとして布団を剥いだ。 ところが、僕の絶望はここからだった。 僕の下半身は白濁とした液体でぐちゃぐちゃに汚れ、未だ脈を打ち続けては留まろうとしなかった。 「うそ、だろ。」 体が硬直し動けない僕の目の前は、真っ暗になった。

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