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第68話
昼食を食べ終わり、食器の片付けを終え、僕らは二人並んで小さなソファに座りテレビを眺めていた。
画面の向こうでは芸能人のつまらないゴシップを、同じく芸能人が中身のない議論で騒いでいる。
僕は、先生の手をきゅっと握り、先生の横顔を見詰めていた。
食器の後片付けは僕がやると申し出た。
先生は気にしなくていいよと言ってくれたけど、流石にそれでは申し訳ない。
僕は二人ぶんの食器を、出来るだけ丁寧に洗い上げ、食器棚に戻した。
先生の食器棚は割と食器が充実していた。
シンプルなものから、カラフルなものまである。
中でも目を惹かれたのは、金に縁取られた青色のティーカップとソーサーだった。
だけど、よく見るとソーサーの下にもう一枚、同じソーサーが重ねられている。
もう一つのカップは何処だろうかと見回したけど、それっぽいものは見当たらない。
あまり人の家を、ジロジロと見るものじゃないと思い直しパタンと扉を閉めた。
「どうした?」
僕があまりにも先生の横顔に視線を注ぎ込んでいたせいか、気づけばこちらを覗き込んでいる。
相変わらずテレビは、昼間から下衆い話題で盛り上がっている。
「顎のラインが綺麗ですね。」
僕はさらりと先生の容姿を褒める。
本当はそんな事をずっと考えていたわけじゃなくて、柔らかそうなくちびるを見て、また食べたいなぁと思っていたんだけど。
先生は恥ずかしそうに右手で口を覆う。
僕は気づいた事がある。
この人は、照れたり恥ずかしいときに自分の口元を手で覆う癖がある。
いつもニタニタ余裕そうな表情の裏に隠れた、もう一つの顔。
その表情に僕の心が煽られていく。
この人をもっと困らせたい。
「先生、僕とえっちしよ。」
「はっ?」
先生が真っ赤な顔で僕を睨みつけている。
潤んだ瞳がふるふると震えているのがわかる。
正直、僕もびっくりしていた。
先生の困った顔が見たいな、と思った瞬間口に出していた。
僕の思惑通り、まるで熟れすぎたトマトみたいに顔を真っ赤にして視線を泳がせている先生がいる。
なにこれ、すっごい可愛い。
齧り付きたい。
「先生、先生とすっごいしたい。」
僕は先生の耳をカリっと甘噛みする。
力の加減が解ってなくて、また、当たりどころが悪く僕の牙が触れてしまい、先生の耳からほんのり血が滲んだ。
先生は僅かに呻くと、僕を制止に入る。
「・・・っ。ま、まてまてっ。君はまだ16歳だろう。せめて、18歳になってか・・・うっ。」
僕は先生が言い終わらないうちに、先生の熱いところに手を伸ばしていた。
「先生のここ。すっごい熱くなってるよ。やらしいね。16歳の僕に欲情してるってこと、ちゃんと認めなよ。『先生』でしょ?きちんと生徒の鏡として事実をしっかり認めなきゃ。」
僕はククっと笑うと先生のソレをゆるゆると撫で始める。
「それとさ。僕達別に人間じゃないよね。吸血鬼界に16歳とヤっちゃいけない法律でもあるの?ね、どうなの?」
先生はぐっと力を入れて僕の手を除けようとしてくる。
だけど、僕に耳を煽られているせいで、なかなか上手く力が入らないようだった。
お蔭で僕は先生の熱いところに手を伸ばしたまま、容易に撫で続ける事が出来た。
先生の息が荒く、僕の肩に吹きかかる。
「ねぇ、先生。先生がDK を性的嗜好品にしてること、僕は知ってるんだよ。初めて先生が自慰してるの目撃した時、僕らの裸をオカズにしてたでしょ?盗撮までして生徒に欲情するなんて最低だよ?変態だね?」
僕は必要以上に先生の耳を煽る。
先生は浅く荒い息を吐き出すだけで、何も言葉にする事は無かった。
顔を耳まで紅潮させて、時折きゅっと唇を噛み締め、僕の責め苦に耐えている。
だけどそれも束の間で、直ぐに口はだらし無く開き、眉を寄せて、瞳を潤ませ、肩を小さく震わせている。
「ねぇ、反論出来ないの?生徒に責められて口から涎を溢れさせているなんてだらし無いね。僕が綺麗にしてあげるね。」
僕は、先生の口に舌を入れる。
呼吸の自由を奪い、溢れ出る唾液をじゅるじゅると音を立てて啜ってゆく。
先生は僅かに身動ぐが、僕はそれを許さない。
僕は先生の熱いところを変わらず優しく撫でながら、思い切り大きな音を立てて先生の下の前歯を啜り上げた。
僕が空いている方の手で、血の滲んだ耳を撫でてやると、ビクビクと体を震わせた。
「こんなになってるのにまだ僕を拒むつもりなの?学校で盗撮するくらいなら、僕の身体に思う存分欲情しなよ。ほら、何か言いなよ、変態。」
僕は意地悪く笑う。
そして、再び先生の耳に舌を這わせ始める。
今度は傷つけないように慎重に舐めていく。
それから、鉄の味が漂う所を、執拗にやさしく舐めとった。
耳元で僕は態とゆっくりと囁く。
先生の耳から跳ね上がる僕の息も湿り気を帯びていて熱い。
「僕の身体に触れてごらん。憧れの男子高校生の躰だよ。本当はずっと抱いてみたかったんでしょ?へ・ん・た・い・きょ・う・し。」
僕は小声で耳に息を吹きかける。
そして再び耳を舐め上げると、首筋に舌を這わせていった。
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