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第75話 R18

ざぁさぁと、僕の耳にシャワーの音が降り注がれている。 僕は首をふるふると左右に振りながら、先生の背中に自分の顔を擦り付けていた。 先生の背中をしっとりと、シャワーの水が流れ落ちる。 吸い付く様な滑らかなその背中に、うっとりと自分の体を擦り付けた。 「ちょっと、王子。擽ったい。やめなさい。」 「いいじゃん。先生の背中、すべすべで気持ち良い。」 僕はそう言うと、再び顔を先生の背中に擦り付ける。 「こらっ、やめっ、ふはっ、く擽ったいって。」 そう言うと、先生は無理矢理僕を剥がしとる。 そして、顔面にシャワーを思いっきりかけてくる。 「ぶはっ、ちょっ!やめっ!先生やめっ。やめて!」 僕は後退りながら、しきりに手を伸ばしシャワーを退ける。 退けた先には、先生のクツクツと笑った顔がある。 「仕返し。」 肩を小刻みに震わせながら、悪戯っぽく口の端を釣り上げて笑っている。 さっきまで、恍惚として熱い息に歪ませた顔を纏っていた人物と、同一人物とは到底思えない。 なんて事は、僕は言わない。 これは僕だけの秘密。 僕だけのもの。 先生にだって教えてやらない。 まぁ、教えたら、僕が見てたのバレちゃうから絶対言えないけどね。 実はあの後、とても大変だった。 何が大変って、後始末というか後片付けというか。 その後も、兎に角大変だった。 目の前が真っ白になって、脳みそが揺れる様に視界が歪み、僕は全身が痙攣して姿勢を保っていられなかった。 必死にティシュで押さえ込もうとしたけれど、体が上手く言うことを聞かなくて、ガクガクと先生の右膝にしがみ付くので一杯一杯になっていた。 当然、あちこち汚してしまった。 だけど、汚れてしまったのは、それだけが原因ではなかった。 僕は僕を吐き出し切ると、少しづつ体の自由が効くようになってくる。 慌てて汚した箇所を拭い取ろうと体制を崩し、向こうのテッシュに手を伸ばす。 その時、太腿とお尻の辺りにヒンヤリとした感覚が伝わってきた。 それがとても気持ち悪くて、足を突っぱねると、突っ撥ねた足にもベッタリと何かが纏わり付いてくる。 「えええ・・・。」 量から察するに、もはやこれは一回の量じゃない。 僕は多分、自分も気付かぬうちに何度も何度も噴き上げていたのだ。 先生に夢中になっていて、気持ち良すぎて、訳が分からなくなっていたから、その推察を否定できなかった。 僕が座っていた所は、滑りとした小さな水溜り状態になっている。 僕は慌てて先生に謝る。 「先生ごめんなさいっ。失敗しちゃって。汚しちゃいました。すみません。」 僕は申し訳なさで一杯になり、手を伸ばしてティシュを手繰り寄せようとした。 だけどその手を先生に掴まれた。 振り向くと先生の顔がそこにある。 僕はそのまま唇を奪われた。 再び僕はとろけてゆく。 「・・んぅ、・・・ふ。」 先生の舌が僕の中に激しく入ってくる。 僕は僕が溢れてきて仕方なかった。 喉が締め付けられるように熱く、頭のてっぺんが揺れた。 僕が先生に食べられてゆく。 僕はそれを受け入れ続ける。 口内を先生が侵し満たしてゆく。 息をするのも忘れて、僕は溺れた。 荒く激しく僕は貪られ続ける。 それが堪らなく愛しくて、気持ちよくて。 僕が目を瞑ると溢れる気持ちが涙になって、つう、とこめかみを濡らしていった。 言葉で表せない幸福感に僕は満たされてゆく。 先生が奥に奥に入ってくる。 その度に僕はこめかみを何度も濡らした。 気づくと先生が僕の手をしきりに煽っている。 再び僕は天に昇る感覚に呑まれてゆく。 僕は口を塞がれていて声が出せず、手を握られてしまって争うことも出来ず、気持ち良さに呑まれ続ける。 そして口の中に入ってきた先生は、そのまま僕を何度も、何度も。 僕の頭は真っ白だった。 声にならない声で喘ぎ続けた。 先生に蹂躙し続けられる。 僕が自分で座っていられなくなると、先生は僕を持ち上げ自分の膝の上に乗せた。 そして再び、僕の口の中に先生の舌が入ってくる。 もう僕は何処かに行ってしまって、訳も分からず貪られ続ける。 それから、僕の手を握られてしまい、再び快楽地獄に襲われる。 先生の上に倒れ込みながら、先生の口の中に喘ぎ声を押し込めていく。 僕は先生のシャツの上に何度も何度も噴き上げていた。 それは、先生が飽きて満足するまで、永遠続けられた。

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