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キス

「サッカー部の部長は想い人がいるらしいぞ」 は? なんじゃそりゃ、忠告? ムカッ 「1つ、言わせて頂きますが!そんなの知ってます」 「・・・」 「そうか…。だがな、仲良さそうに喋っていたからな」 あれのどこが仲が良さそうに見えたんだろう なんか、もっとマシな忠告が来ると思ったんだけど…。 「一応、釘は刺しておく」 「そうですか…。話はそれだけですか?」 「あぁ」 「じゃあ、速やかにお帰りください」と冷たく言った 「だがな、俺も見たい本がある、帰りはしない」 「そうですか。それより早く本を返してください」 僕はくだらない忠告?に付き合ってる暇はないんだ! そうだそうだ!と頭の中の自分のちびキャラが同情する だが、ここで食い下がらないのがさすが生徒会長 「じゃあ、1つ提案がある」 「この本を返して欲しくば、俺にキスをしろ」 「発情したくないなら、目をつぶったままでも良い」 「別にいいと言うなら、キスをしろ」 は?どっちみちキスしろってこと? な、なんで僕がしないといけないの? この人はどういう思考回路をしているのかがわからない キスして欲しいならしてって言えばいいのに…。まぁ、そんな頼み方じゃ一切してやらないけど ん~、僕のキスか、読みたかった本か…。 そう悩んでいると目を瞑りながら「早くしろ」と言ってきた どうせ、ここで断ったらなんかされるだろう ここは無難にキスか? それとも、逃げる? ゆずが選んだのは……

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