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ファーストキス
ゆずが選んだのは…
もちろん逃げるさ!
へっ!本を抜くのはバレそうだから、そのまま逃げる
実は僕、まだキスしたことない…。
だから、ここでキスをしてしまったら、ファーストキスを奪われてしまうということだ
大事なファーストキスを奪われてやるか!
でも、ちょっと意地悪してやる
水の件の仕返しだ!
作戦はこうだ!僕がキスをしますよ!と言い、唇の数cmぐらいで止める
そして、逃げるということだ!
へへへ~
成功間違えなし!
よぉ~し!決行だ!
「じゃあ、行きますよ!」と言い唇を一条様の方に近づける
もう、いいだろうと言うところでピタッと止めた
あとは逃げるのみ!
そして、逃げようと振り返った瞬間、腕が掴まり、抱き寄せられ
キスをされた
驚きで声が出ず、目を大きく見開いた
な、何してんだ!そう思い、両手で、一条様の体を押す
すると離れ、腰が抜けたように僕は座り込んだ
自然と下を向く
ぼ、僕のファーストキス…。
唇を触り、動揺で目が泳ぐ
僕、お嫁に行けなくなっちゃうかも…。
ファーストキスが無くなったお嫁さんって需要あるかな…?
無いよね…。
ゆずは世間知らず、恋愛不足なため、ファーストキスがもっとも重要だと考えている
そう考えたら怒りがふつふつと出てきた
「どうしてくれるんですか!僕のファーストキス!返してください!」
すると、生意気な声で一条様は言う
いや、正確に言うと、ゆずが怒りの頂点に達しているため、生意気と捉えられてしまった
「ファーストキスだったのか」と
ムカ!もう、怒った!
「あなたみたいに経験豊富じゃないんで!もう!失礼します」
そう言い立ち上がり、図書館を出た
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