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探そう!
「で!誰だと思う!?」
だ、誰って……。僕しかいないし……
「えぇ~わかんないや……」
「あっ!そっか!まだ、わかってないよね!みんなのこと!」と謎の納得をかおりくんはした
ふと、今いる場所が廊下に出そうだということに気が付き、とりあえず、中に入ろうと言うことになった
ガラガラと音を立てながら椅子を引いて、座る
体を横にして、かおりくんと向かい合った
「ゆず、これは大事件だから、しっかり耳に入れといた方がいい」と真剣そうに言う
だけど、僕は興味がない……。というよりかはわかっているため、話にそそられず「べ、別に、誰とキスしてようがいいんじゃない?」と言ったけど……
「ゆず!これは!この学園に関わる大事件なんだぞ!」
と言われたけど……。いや……キス1つで?と思ってしまった
でも、キス1つで騒いでいたのは僕も同じ…。
いや!重さが違う!ファーストキスは特別で繊細なものなんだ!
そうなんだ!と確信をつける
そんな考え事をしていると大きな声が耳に入った
「わかった!」と立ち上がり教室……いや、全教室に響き渡る声で言った
うるさいなと思いながらも、わかったということがわからなかったので聞き返す
「ん?どういうこと?」
「ゆず!探そう!」と熱い目でこちらを見てくる
その熱い目も言ってる意味も分からず「へっ?」と間抜けな声が出てしまった
僕が分からないってことがわかったのか「キスをした相手を探そう!」と肝心な部分を言ってくれた
あっ……そういうこと……って!えぇぇ!
「や、やめておいた方がいいって!」
「なんでそんなにゆずは拒むの……?」と疑いの目でこちらを見てくる
「ええっと……」と目を逸らす
かおりくんが一歩前に出て「ほんとは、ゆずが相手なんじゃないの……?」
ギ、ギクッ!
「一条様相手にキスできるわけがないじゃん」と言いつつも、冷や汗が止まらない
かおりくんは僕の心配とは裏腹に「地獄クラスだからキス出来るわけないよね!」と納得してくれた
ほっ……。一安心だ……と肩を下ろした
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