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第15話

 古賀は三鶴の足をぐいっと引いて布団から引きずり出そうとした。三鶴はベッドの柵にしがみつき反抗する。  古賀が三鶴の足首に爪を立てた。そのまま握る力を強める。足首にくっきりと爪の跡が付く。  古賀の力に三鶴が抵抗出来るはずもなく、布団から下半身が飛び出した。古賀は三鶴を仰向けにさせると、上半身の布団には手を触れず、三鶴の腹に両手をかけてぐっと押した。 「触診しましょうね」  お医者さんごっこでもしているかのような楽しそうな声で古賀が囁く。  内臓まで押しつぶそうとするかのような強い力に耐えきれず、三鶴は布団から抜け出ると、古賀から逃げようと身を捩った。  古賀と目が合う。ギラギラと欲望を隠そうともしない獣のような目だ。  腹を押さえていた手が上へ移動していく。胃を押され痛みに足をバタつかせた。肋骨を押さえられ、折れるのではないかと震えた。  喉に手をかけられ、ゆっくりゆっくり押さえつけられる。  息苦しさに口を開けて喘いでいると、古賀が唾を三鶴の口の中に吐き、顎を押さえて無理やり閉じさせた。    首から手が離れ、呼吸が楽になったというのに、口を塞がれている。鼻ではうまく呼吸できない。もがいていると、口の中の液体をすべて飲みこんでしまった。 「飲んだか?」  首を小さく振っていると、古賀は満足したようで手を離した。三鶴は身を捩って咳き込む。 「もっとイイもの飲ませてやるよ。こっち向け」  三鶴の髪を握って、無理やり自分の方に顔を向けさせる。古賀はズボンの前をくつろげて、性器を取り出す。三鶴を蹂躙することで興奮したのか、勃起していた。 「口開けろ」  古賀がなにを言っているのか理解できず、三鶴はぼんやりと古賀の性器を見ていた。 「開けろって」  鼻と顎を掴んで無理やり口を開かせ、古賀は性器を三鶴の口に押し込んだ。 「歯を立てたら折るぞ」  脅しじゃない。古賀ならやるだろう。三鶴は歯を当てないように口を大きく開けた。 「ボケ、歯は開けといて、唇は閉じるんだよ。お前、本当に馬鹿だな」  言われたとおりに唇をすぼめると、古賀は三鶴の後頭部を押さえつけて、腰を前後に振り出した。  古賀の性器が喉の奥まで突き入れられる。強い衝撃を受けて目を見開いた。なにが起きているのかわからない。  古賀は容赦なく何度も三鶴の喉を突く。喉が痛んで、嘔吐感が酷い。出来ることなら今すぐ古賀の性器を吐き出したい。だが頭を押さえる力は弱まるどころか、ますます強くなる。  性器が出入りするたびに唾液がどろどろと口から漏れ出す。嗚咽が止まらず涙がシーツに落ちていく。  三鶴は苦しさのあまり、古賀の腰に手をかけて押しやろうとした。 「なにしてやがんだ? おい」  古賀の動きがますます荒くなる。 「勝手に動くんじゃねぇ。オナホ野郎が」  ずるりと性器が口から出ていった。軽く三鶴の頬を叩く。 「握れ」  命じられるまま古賀の性器に手をかける。 「両手だ。扱け」  両手で古賀の性器を包み込み、上下に擦る。三鶴の唾液で濡れた性器はぬるぬると手の中で蠢く。気持ちの悪さに、また吐きそうになる。 「もっと強く、早くだ、ノロマ」  吐き気をなんとか飲み込んで衝撃から抜け出せず上手く動かない手に必死に力を込める。これでいいのだろうかと古賀の顔をちらりと見上げると、冷たい視線が降ってきた。 「埒が明かねえ。そのまま握ってろよ」  古賀がまた自分で腰を振る。滑る性器を取りこぼさないように、三鶴は必死で古賀の性器を握りしめる。  荒い息遣いが聞こえて見上げると、古賀が三鶴を見つめて、ぺろりと舌なめずりした。  食われる。このままではいつか本当に食い尽くされてしまう。古賀の嗜虐心は強まるばかり、まるで果てが見えない。どこまでも貪欲に獲物をいたぶりつくすに違いない。 「口開けろ」  また喉を突かれるのかと恐怖したが、反抗する気力はもう残っていない。恐怖に支配されたまま口を開けた。  古賀は性器の先端を三鶴の口に近づけ、勢いよく射精した。口の中にどろりとした体液が飛び込み、その生ぬるさと青臭さに耐えられず、三鶴は嘔吐した。  吐瀉物が跳ねて古賀の制服を汚した。  殴られる。  ぎゅっと目を瞑り、衝撃に備えたが、いつまで待っても古賀の拳は降ってこない。こわごわ目を開いてみると、古賀は優等生の仮面をかぶっていた。 「先生、三鶴くんがもどしてしまいました」  古賀は手早く服装を整えてカーテンを開ける。保険医が扉を開けて入ってきたところだった。 「大変。東谷くん、意識はある?」  慌てて三鶴に近づく保険医の後ろで、古賀は満面の笑みを浮かべていた。 「これからもよろしくね、三鶴くん」  声には出さなかったが、古賀の唇はそう動いていた。

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