61 / 61

8-3

『強面な顔をした殿方』 楽しそうに微笑う声が聞こえてきた。 まるで、知っているみたいに。 「強面…」 『そう、強面。でも、仕事は出来る男』 頭の中で、反芻してみた。 凄く、威圧が漂ってきそうな気がした。 俺の想像は、堅物が出てきたのだが、どうなんだろう。 「冥界副官吏長は、見た事ありますが、冥界官房長官は、逢った事ないですよ…」 『冥界官房長官は、忙しいから逢わないのも当然ね』 何故、彼女は冥界王族に詳しいのかは、叔父様から聞いてはいたが冥界政府内も、把握しているとか、正直、超能力を使っているんじゃないかと思う。 俺ですら知らない情報を持っている。御子が生まれてから、何度か、赴こうと考えたが。 今、娘と離れる訳にはいかない。 リンアが、厳しいんだ。 『龍族の血を引いている御子は、成人するまで、親元で育てる』 それが、掟ではあるのは確かだが、ソナタに似ている部分が多々あるから、平気と反論したら、凄い眼光を飛ばされたので、それ以上は言わなかった。 何故か、リンアは、他人との接触を禁じている部分がある。 「一つ、宜しいでしょうか?お義母様…」 『何かしら?』 「リンアが幼い時って、他人との関係を隔離していたのでしょうか…」 『…あぁ、その件ですか。確かに、極力、他人との関係は閉ざしていた部分はありますが、何も、全てではありません。学業での関係だけなら、許可していましたよ。あくまで、家族ぐるみという関係は、お家事情があり避けていましたが』 やはり、深い関係は持たせるのを避けていた。 それだけは、誰も、教えてくれない。 各言う、妻が口を割らないのだから触れて欲しくない件なんだろう。 何を、リンアから避けようとしている。 ふっと、俺は、疑問を抱いた。 肉親になった以上、疑ってはいけないが。 謎が多すぎるんだよな。

ともだちにシェアしよう!