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ピクニック エナ6〜エドナ
僕もブラウニーを食べて(というかティムに食べさせられて)、全部なくなったところでやっとティムの腕の中から解放された。
「エナ、ごちそうさま。美味かったよ。」
「エナのブラウニーはいつも最高だからね。」
「本当に美味しかった。また食べたい。」
ティム、ドナ、ノンに次々とお褒めの言葉をいただき、ちょっと恐縮する。
「いいえ、どういたしまして。ティムもノンも気に入ってくれて良かった。」
そう言った僕の頭と頬を撫でながらティムが言う。
「そろそろ完全憑依しようか。ティムノンとエドナの初対面だ。」
ドナが僕の中に飛び込んで来ると同時に、ドナの意識も僕に溶け込んでいく。幼少の頃から慣れ親しんだドナを丸ごと受け入れ、僕の意識と融合させる。
体中を駆け巡る熱を背中から放出させ、純白の翼を伸ばすと同時に、僕の髪が白くなり、同じく純白の猫耳と尻尾も生えてくる。
僕はエドナ。魔族の男の肉体と融合した白猫だ。
僕には、エナとドナの記憶と感情が両方とも存在する。だが、基本的にはエナ寄りの性格。そこにドナの本能的な感覚が混じっている感じだ。
ゆっくりと目を開けると、ティムをやや大人にしたような精悍な面構えの美丈夫がいた。背中にはドラゴンの翼が生え、下半身は立派な龍。
「ティムノン・・・」
僕はティムノンを見つめる。
「エドナ・・・やっと会えたな。」
ティムノンに抱きしめられた僕は、素直に抱きしめ返す。ドナが混じっているから、エナの時より甘える行為に躊躇がない。
お互いに抱きしめ合い、ごく自然にキスをする。最初は軽く唇を合わせていただけだが、すぐに貪り合うような激しいキスに変わる。ティムノンが僕の口腔内を舌で隈なく舐めまわし、僕も舌を絡め、お互いに唾液を流し込む。
そのどちらのものとも分からない唾液を飲み込んだ瞬間、ティムノンの気持ちが僕の中になだれ込んで来た。
ティムノンが僕の体の中を駆け巡る。ドナのようにエナと一体化する為ではなく、ティムノンとしてエドナのすべてを愛していく・・・・・・あぁ、エドナが愛おしくて堪らない。エドナ、好きだよ。愛してる。オレの番。オレの唯一。エドナ、エドナ、オレを受け入れて?エドナが可愛くて堪らない。エドナを征服したい。エドナはオレだけのもの・・・・・・ティムノンからの精神的な愛撫が止まらない。
僕の気持ちもティムノンになだれ込んでいるはずだ。ここまでの愛は返せていないかも知れないが、精一杯の気持ちを伝える・・・・・・ティムノン、僕を愛してくれてありがとう。僕だってティムノンが好きだよ。初めて会った時から惹かれてたんだ。エナは恋愛自体が初めてでよく分かってなかったけど、一目惚れしてたんだよ。あぁ、ティムノンの愛が心地いい。好き、僕も愛してる・・・・・・
ティムノンの下半身が僕に巻きつく。このまま抱いて欲しくなったけど、エナは初めてはティムと二人でって決めていたから我慢した。その気持ちはティムノンも同じようで、それ以上の肉体的な接触はして来ない。
その分、これでもかってくらいに精神的に愛撫され、僕はふにゃふにゃになってしまった。何というか・・・エナと同じでエドナになっても、僕には被虐性があるみたいだ。散々焦らされ、羞恥心を煽られまくって・・・挙げ句の果てには涎を垂らしながら脳イキしてしまった・・・
ものすごく恥ずかしかったけど、ティムノンの満足気な気持ちが流れ込んで来て、精神的な後戯が続く。
「はぁ、エドナ、最高過ぎるよ。次は脳イキしてる時に体でもイカせてあげるからね。ティムとエナの初体験が済んだら、絶対に抱くよ?」
あんな状態の時に体でも・・・って・・・僕、大丈夫かな・・?
「大丈夫、どうしようもないくらいに気持ち良くなっても、オレが共有して支えてあげるから。精神的に繋がるってそういう事だよ。」
じゃあ、安心・・・なのか??ちょっと、いや、かなり怖いんだけど。
その後も精神的に繋がったまま、ゆったりと過ごした。お互いの気持ちがすべて伝わり、嘘偽りない愛に安堵する。
特にエナの気持ちが一番落ち着いたようだ。
「もう大丈夫。エナもティムの気持ちを疑ったりしないよ。」
「じゃあ、今日はもう帰ろうか。ちょうど日も暮れて来たしね。」
ごく自然に完全憑依を解いて、エナとドナに戻る。同じく元に戻った自分の番に抱かれ、エドナ診療所の前まで瞬間移動で帰った。
こうして僕たちのピクニックは終了したんだ。
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