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第9話
番にされたのは15の時。
今は、脳のホルモンをコントロールするカプセルを埋め込まれ、発情期がない子供時代や少年時代をオメガ達は過ごせるようになっている。
それは、事故無く番を選べるようになったということで、カプセルを取り出される20歳までの間にオメガ達は必死で番を探す。
番のアルファが必要なのは分かっているからだ。
でないと、発情期の辛さを抑えて貰えないし、フェロモンが全てのアルファを危険にさらす。
アルファを発情させるのはオメガの罪になるのだから。
ただ、カプセルは強すぎて、長く使うべきものではないのだ。
20を過ぎると抑制剤に頼ることになるが、これは効き目に個人差がある。
強いフェロモンを持つオメガは抑制剤が効かなかったり、性衝動を抑えられなかったりもする。
だからなんとしてでも、番のアルファを探すのだ。
そのオメガもその一人だった。
オメガにも幼なじみのアルファがいた。
家同士の繋がりもあるし、憎からず思っていたから、なんとなく一緒になるのだと思ってた。
アルファも美しいオメガを憧れるように見つめていたのだし。
だが突然現れたアルファがいた。
随分年上で。
オメガを亡くした大人のアルファだった。
街で見かけて気に入った。
番にする、そう言われた。
強力な力を持つアルファで、恐ろしいアルファで。
家族を殺されそうになり、選ばさせられた。
番になることを。
そして、まだカプセルを取りのぞきもせず、発情もしていない時から犯された。
その日の内に家から連れ去られ、そのアルファの屋敷で裸にされ、自分では触れたことのない孔の意味をアルファの指で教えられ、発情していないから、理性が残る身体のままで、犯された。
「私が満足するまで、抜けないんだよ」
アルファは異様な形状のそのペニスを、無理やりオメガに舐めさせた後に言った。
「お前の番のペニスだ。お前が唯一知るモノだ。味わえ」
そう言われて、泣きながら舐めさせられた後、もう何度も指でイカされた後ろの孔をそれで貫かれた。
発情期ではなかったけれど、でも、確かにソレでイった。
泣き叫んで怯えて、苦しんで。
でも、悦んだ。
オメガだから。
アルファのペニスを身体は悦んで。
でも、まだ理性は残っているからそれが辛くて。
わざとそうしているのだと知る。
理性が残っている状態で、教え込むために犯しているのだと。
嫌
と言っても笑われた。
いやじゃないだろ、と揺すられたなら、身体はたちまち融けてしまう。
それでも嫌だと叫ぶ度、嫌じゃないことを教えられ続けた。
アルファの身体はオメガにはたまらない快楽だった。
初めから。
赦して貰えずに何度も揺さぶられ、奥まで犯され、出され続けた。
「私のカタチに変わるまでだ。覚えろ」
囁かれ、犯され続けた。
発情期でもないのに、その時間は異様な程で。
まだ発情してないから無意味なのに、項も噛まれた。
終わってからも、泣き続けているのに、メスを使ってカプセルを取り出された。
それから、カプセルの効果が切れて、発情期を迎えるまで毎日犯され続け、発情期を迎えたなら番にされた。
ちゃんと番になった時、アルファは喜んだ。
「二度とお前を手放さない」
と。
それは恐怖の言葉だった。
逃げられないと思って泣いた。
普通のアルファ以上に狂っていたアルファだった。
表社会だけでなく、裏社会にもアルファはいて、そこを支配している。
そんな闇のアルファの二人目の番になった。
一人目が死んだ理由は聞いてなかった。
そこからはアルファの愛玩道具だった。
アルファなりに愛していたのだとは思う。
何でも与えられたし、優しくはされた。
でも、それが嫌だった。
籠で飼われて、好きに犯されるだけの日々だったから。
アルファは閉じめたオメガを毎日抱いた。
おかげで訪れない日には自慰でするほど淫らになった。
抑制剤は一切与えられず、発情したらさらに喜ぶアルファに抱かれた。
子供が出来なかったのが不思議だった。
それはオメガが願っていたからかもしれない。
子供だけは嫌だと。
だって憎んでた
このアルファを。
この男の子供だけは嫌だった。
もう番になったから、この男以外の子供は産めなくなっているとしても。
逃げ出す機会を狙ってた。
このアルファを出し抜き、家族を危険に晒さず逃げる方法を必死でオメガは考えていた。
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