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第14話

恋人はもう番がいるオメガだから、恋人のフェロモンにアルファは反応することはなかった。 発情仕切ったオメガを前にして、皮肉な笑いをアルファは浮かべた。 恋人はアルファに反応した。 番じゃなくても、アルファだ。 だから与えられると知ってた。 いつも可愛い、恥ずかしがり屋の恋人が理性を切らせてベッドから走ってやってきて、アルファの足にすがりついた。 震える指でベルトに手をかけ、チャックを下ろそうとする。 「クソオメガめ。オレはこいつらのこういうところがキライなんだよ」 アルファは毒づいたが、オメガのすることを止めなかったし、オメガがそれを舐める時にはもうそれを勃起させてた。 音を立ててしゃぶり舐めるオメガは、それが欲しくてたまらないのがわかる。 恋人がひざまづき、そうするのをベータは黙って見ていた。 「ぶち込んで欲しかったらしっかり濡らせ、クソオメガ」 アルファが罵り頭を抱えて喉を塞ぐように押さえつけた。 くぐもった苦しげな声がしたのに、苦しんでいるように見えるのに、射精していたのはオメガだった。 腰をゆらしているくせに、オメガを嫌悪の目でみるアルファ。 でも、そんなオメガの肩を抱き、支えているベータには複雑な同情に満ちた目をむける。 「わかんねぇよ。オレはこんな風にしかオメガを抱けないぞ」 苦しむオメガの喉を犯しながらアルファは言う。 そのオメガを抱きしめ、背中にキスしながらベータは言う。 「わかってる。だからオレがここにいる」 と。 恋人に傍にいて、愛してることを伝えることで、恋人の心を守る。 「お前・・・わかんねぇよ」 そういうアルファも苦しげで。 でも、オメガの喉を犯し達した。 むせながらそれを飲むオメガは哀れで。 でも背中にキスをして、ここにいるとベータは伝える。 そして、前戯も何もなく、ベッドで尻を抱えられ、アルファがオメガを犯し始めた時もオメガの手を握りベッドにベータも座っていた。 「1度入れたら、満足するまで抜けないぞ」 アルファは忠告した。 「分かってる」 ベータは頷き、オメガは欲しくて自分から尻をあげながら、でも泣いた。 ごめんなさい、と。 ベータをみつめながら。 アルファは不機嫌に黙る。 決して浮気をバレたくない愛しいベータのことを考えたのだろう。 でも、これは。 アルファにも悪くない取引なのだ。 この部屋のベータもアルファもオメガも。 秘密こそが必要だから。 「オレだって。オメガなんか抱きたくねぇ」 アルファが歯を食いしばりながら言った。 でも、濡れた甘い穴を見つめている。 アルファを欲しがる穴を。 そこの甘さにどんなにオメガを嫌っていてもアルファは飢えてしまうのだ。 「分かってる。オレ達はおなじだよ」 アルファにベータは囁いた。 くそっ 罵り、アルファは苦しそうにオメガを貫いていった。 アルファは吠えた。 オメガも大きく背中をそらした。 あるべき組み合わせの。 セックスが始まった。 ただひたすら貫き、突き上げるだけの獰猛なセックスなのに。 オメガの中はそれを喜ぶ。 番のモノではないが、アルファだ。 アルファを求める本能にオメガは狂う。 アルファの独特の形状のコブがオメガの前立腺を潰し、オメガの中をたっぷり満たす巨大なペニスによがり狂う。 「クソ、オレのじゃねぇ」 アルファが叫ぶ。 オメガの形が自分のモノではないことに原を立てているのだ。 番なら、1番良い形を覚えてそうなるから。 本能がアルファとオメガにこれは違うと思わせる。 だが。 オメガの発情仕切った穴はアルファを必要としていたし、アルファのペニスもオメガを必要としていた。 「クソオメガ!!アイツにこんな酷いこと出来るわけがらねぇだろ!!クソオメガだから出来んだよ!!」 アルファはオメガ以外では受け入れられないような苛烈な突き上げを始める。 それは暴力のようで。 ベータ相手にそんなことは絶対にできないことだ。 でもオメガはそれを待っていた。 そうされたかった。 全身を痙攣させて喜ぶ。 「クソが!!クソオメガ!!」 アルファは怒鳴り、抉る。 ベータはオメガの手をにぎしめて、その指先にキスし続ける。 アルファの動きに合わせて、丸まりもし、指先まで伸ばしもするその細い指に。 ゆるしてぇ オメガはそう言った。 それはこれ以上の快楽を得たくないというアルファへの拒否への言葉ではなく、傍にいるベータへの言葉だった。 アルファとの快楽に狂いながら、狂ってしまうことに、求めてしまうことに赦しを求めていた。 「良いんだ。愛してる」 ベータは言った。 「こんなことアイツに出来るわけがねぇ。クソオメガだから出来んだよ!!」 何度射精しても収まらないアルファが喚く。 アルファも快楽に狂いでも、傷つき苦しんでいた。 愛するベータを裏切っているから オメガはそれに喜び、また出されたがる。 でもオメガもベータへ許しをこう。 ベータはオメガを見つめ、傷つき。 でも許していた。 三者三様の地獄があり、でも。 彼らは彼らを必要としていた。 そして、何も知らないアルファのパートナーのベータもいて、彼もまた地獄にいるのだ。 知らないだけで。 「アイツには言えねぇ」 アルファは血を吐くように言った。 「わかるよ」 ベータが答えた。 立場は違うが良く分かってる。 分かってしまう。 それでも。 吠えながら、アルファはオメガを貪り、オメガも獣のようにそれに応える。 でも。 獣じゃないから。 3人とも、傷ついていた。

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