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第20話
日常が戻る。
オメガはもう女装しなくてもよくなった。
だけど、その姿も嫌いじゃないので、たまにお願いして着てもらってたりはするのは、まあ、ベータの性癖だ。
初めて出会ったときの服装がそうだったんだから、目覚めさせたのは恋人だと、開き直っている。
何もかもなかったかのよう。
オメガ嫌いのアルファは何もかもを処理してくれた。
番のアルファより恐ろしいアルファだったとは思わなかったが、何よりこのアルファは運命共同体なのだ。
互いが互いのものなのだ。
この生活を守るために欠かせない。
オメガの発情期がくるしい時に
そしてアルファの我慢が効かない時に
アルファとオメガは互いを貪り合う。
そして、オメガの心を守るために、ベータもその時そこにいる。
アルファは自分の結婚相手のベータをそうやって守っている。
誰よりも愛してるからこそ。
自分が一番ベータにとって危険だと分かっているからこそ。
それでも。
それでも。
その人を愛してる。
それでいい、とベータは思う。
恋人と居られるなら、全部受け入れる。
だって愛してる。
それが全てだ。
ベータは幸せだった。
恋人がいるから。
おわり
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