53 / 61

第53話※

時差ぼけなのか、昨日夜更かししたからなのか、随分寝てしまったようだ。時計を見ると昼近くになっていた。それでも昨日はよく寝れたようでスッキリしていた。 隣には乙幡が寝ている。寝ている乙幡の写真をこっそり撮った。 隣にいるだけでこんなに安心する関係になったんだなと、感情深くなり、まじまじと顔をよく見る。 寝ている乙幡を見ていると、きっと子供の頃もこんな感じだったんだろうと想像が出来る。ジュエの社長の顔とは違い、少し少年ぽい気がする。 シャワーを浴び、完全に目が覚めてしまった悠はキッチンの掃除をすることにした。 冷蔵庫を開けて見るが食材は無く、ピーナッツバターやジャム、アルミパック入りゼリー飲料が並んでいた。 ひとりで過ごしている時は、食事は簡単に済ませていたのだろう。乙幡の身体が心配になる。昼は何を作ろうかと考えていると 、バタバタと音が後ろから聞こえてくる。隣にいる気配が無くなったので、乙幡が起きてしまったのだろうか。 「悠…起こしてよ…」 乙幡は寝ぼけているのか、キッチンにいる悠を見つけては、後ろから抱きつき首筋に頭を擦り付けている。 「疲れてるんじゃない?お昼ごはん作ったら声かけるから寝てれば?」 そう声をかけるが、「嫌だ」と言う。 「エド、ひとりの時、家でご飯食べてなかった?ピーナッツバターとかゼリーしか冷蔵庫にないよ?身体大丈夫?心配だよ」 まだ後ろから抱きしめられているが、「ほら」と引き摺るようにして冷蔵庫の中を見せる。 「うん…面倒なんだよ。料理苦手だし。ひとりだと簡単なものでいいかって」 アルミパック入りゼリー飲料は栄養あるんだってと言っている。それは、栄養補助食だってばと強めに叱る。 「じゃあ、何か作るから、ちょっと待ってて」 「うーん…まだこうしていたい…なぁ、悠 ここ赤くなってる」 後ろから回した逞しい腕は緩めずに乙幡は悠の首筋を唇で撫でる。撫でられたところは、乙幡がしつこくキスしていた場所だ。赤い点がついているのはキスマークだった。 そのキスマークをなぞるように乙幡は、キスをしてくる。乙幡は、もう完全に起きているはずだ。 「エド、ちょっと…ダメ」 「悠には色々聞きたいことあるんだよ?」 「えっ?な、なに?」 何故キッチンで急に聞きたいことあるなんて言うのだろうと不思議に思う。昨日、あれだけ色々と話をしながら寝落ちしたのに、まだ聞く事があったのかと思う。 「昨日、初めてしてどうだった?」 「えっ?は?昨日?どうって…」 頸にキスをしながら乙幡は聞く。昨日初めての行為は気持ちよかったが、改めて聞かれると恥ずかしくてはっきり答えられない 「え…まあ、よかったよ?ねえ、エド、 暑くなってくるからやめて、んんっ」 振り向いて訴えると、後ろから無理矢理キスをされた。身体が密着し悠の腰に硬くなったものが押しつけられている。 「暑い?だったら脱ごうか。このエプロンは俺が大好きだから脱いじゃダメね。エプロン以外は脱いでいいよ」 体格差があるので後ろから覆い被されると動けなくなる。それと、こんな時に乙幡の手際の良さが手伝ってエプロンの下に着ていたTシャツだけ剥ぎ取られ素肌にエプロンだけ着させられる。下のスウェットとパンツも両方スルリと脱がせられてしまった。 「や、ちょっと、なに、恥ずかしい」 「ヤバイ…エロい…俺さ、こんな趣味ないはずなんだけど、裸にエプロンって、ありなんだな。しかもキッチンで」 興奮するなと言い、首筋へのキスを再開する。エプロンの上から乳首をカリカリと擦られる。エプロンが素肌に擦れてもどかしい。もっと直接触って欲しいと思ってしまう。 「悠、ひとりで後ろを使ってしてたの?どうやってたか教えて?指いれてた?」 「んんっ…やだ、恥ずかしいから、ああっ、やぁん…」 ちゃんと答えてねと言い、エプロンの上から強く乳首を摘まれる。 「う…んんっ、指いれてた…よ」 正直に答えたのにまだやめてくれない。尻を撫でられ、乳首をくりくりと擦られて、悠のペニスから透明な蜜がタラタラと流れて出てくる。 「教えて…悠。何を想像してやるの?」 身体が熱くなり、意地悪な質問に悠はくるりと体勢を変えて乙幡の方に向き直り、軽く睨みつける。 「もう、何を想像してるかって、何でそんな意地悪なこと聞くの?これを想像してたの」 そう言い跪き、乙幡のスウェットとパンツを引きずり下ろす。反動で乙幡の大きなペニスがバチンと音を立てるように立ち上がり、顔を掠めた。 悠の手が乙幡の大きな男根を撫でる。撫でられると更に膨張したような気がする。腹に付くくらい上を向いている。 「大きい…昨日、これが中に入ってたなんて信じられない」 口を窄めて先端を吸い上げる。そのまま口の奥まで入れようとするが、大きすぎて入らない。先端を含み舌でペロペロと舐め回す。乙幡のペニスがビクッと動いた。 「エディ…やらしいのは嫌い?」 下から見上げて乙幡に聞くが、乙幡は答えず呻き声だけだった。堪えられないのか口の中に先走りの汁がダラダラと流れてくる。 グジュグジュと頭を上下に振り、乙幡のペニスをゆっくりと口で扱き始める。少ししか口の中に入らないので、両手で残りの竿を根元から擦る。 溢れてくる汁を飲み込めず、口元からこぼれ出てしまう。喉からエプロンに伝わるのがわかる。 「悠、ダメだ。イキそう…離して」 「や、ダメ。離さない。出していいよ」 さっき意地悪したことの仕返しをしたいと悠は更にグジュグジュと激しくフェラチオをする。 口に入れているだけなのにすごく興奮してしまう。好きな人の堪えられない顔を見るのも興奮する。 こら、と言われ無理矢理口から離された。 「悠、悪い子だな」 ここに立ってと促されるから、また期待してしまう。

ともだちにシェアしよう!