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第6話 大きくなる奴の存在。
その早朝から潔の調子が悪かった。
朝食から遠慮なく俺の顔を見てくる。
かと思うと顔を覆い隠したり。
トレーニング中は普通に過ごせていたようだが、やはり潔世一は俺が唇に噛み付いたことを気にしているようだった。
「どうしたの、潔?」
「……なんでもない」
「なんでもないなんておれに通用すると思ってる潔は可愛いけど」
「かわいい言うなー!!」
「あははっ、そんなの気にしての?いいじゃん潔は可愛いで」
無邪気にじゃれつく潔と蜂楽から離れたくなり、俺はペースを少し早めて今日のノルマを切り上げた。
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