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第11話 この関係がいい。

「潔のライバルは凛ちゃんなんだね」 「本人からは同意をもらってないけど、俺はそのつもりだけどな」 この二人が話してることは日常茶飯事だが、何故か俺が近くに寄ると蜂楽が話を振ることが多いような気がするのは、きっと気の所為ではないだろう。 「逆に潔をライバル視してる奴って多いよね」 「まあ、蹴落とされたら終わりだからそうなるのか。……特にブルーロックは」 確かにここは特殊な場所で、蹴落とされたら相手を喰らいつかなければ生き残れない。 俺にとってはブルーロックは茶盤だと思える場所だったが、潔世一という目障りな存在が知れた場所だ、多少は有り難い気分には感じていた。 「國神に千切に凪に馬狼、他にもライバル視されてるんじゃない?」 「そんなにいるか……?!」 「勿論おれもだよー。潔はモテモテだね」 「なんだよ、蜂楽はいつも何が言いたいんだ?」 蜂楽は一瞬俺に視線を向けたが、直ぐに戻した。 「なんでもないよ?ただ愛されてるって思っただけだって」 コイツはきっと俺を煽っているのだ。 潔世一をライバルとして認めろ、とそう言いたいのだろう。 「愛されてる?……逆じゃないか」 「そうかな?どうでもよかったら自分の視線には入れないものだよ。ね、凛ちゃん」 やはりそうだった。 俺はお前等をライバル視はしてない、ただ潔が異様に目障りなだけだ。 「……五月蝿い、黙れ」 「あはは、凛ちゃんが怒った」 蜂楽は俺に体当たりするつもりか、俺は片腕で制した。 「やめろ」 「もう、つれないなー」 俺への体当たりから成功しなかったが、制したせいで蜂楽の体当たりが潔に成功し、二人はその場に倒れ込んだ。 コイツ等は本当に馴れ合いしかしない気なのか、折角のブルーロックが台無しだとは思わないのか。 俺は二人から離れ、一人練習を続けた。

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