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第16話 想定内の出来事。

その日は頗る調子が良かった俺は練習試合の後クールダウンしいつもより早く風呂に入っていた。 ここの風呂は芋洗い状態だ、早ければ早いほど清潔な湯に入れる。 「珍しい、凛ちゃんが一番乗りだ」 「……」 今まで静かだった風呂が一気に五月蝿くなった。 この状態は俺にとって居心地は悪くなる、よってシャワールームに移動することにした。 「背中に引っかき傷……」 「あ、あはは。千切っ!!練習で引っ掻かれたのかな?ね、凛ちゃん」 蜂楽は千切の言葉を制したが俺は振り返ることなく応えた。 「別に。……隠す必要もない」 「ひぇー、悪い男だね凛ちゃん」 何が悪い男だ。 俺はストライカーとして強くなれ兄の冴に勝つことが出来れば、誰でも蹴落とす。 それが悪いことだとは思っていない。

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