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第21話 奴からの理解。
「凛ちゃんは何であのとき潔を選んだの?」
俺がベッドに入ろうとした瞬間、蜂楽の声がした。
声の主は目だけこちらに向けていた。
「眠る前にごめんね。ハッキリ返事を聞くまでは納得出来なかったんだ」
無視する選択もあったが、これ以上蜂楽に関わりたくないと思った俺は答えた。
「目障りな奴を俺の手で潰したい。ただそれだけのことだ」
「潔が目障りということは、それだけ気にしてるってことだよ。おれも凜ちゃんに気にしてもらえる存在になりたいなー」
蜂楽はこう言っているが、コイツはきっとさして俺のことなど気になどしてはないだろう。
「あとね、言っておくけど潔は起きてるから」
蜂楽がそう言うと潔はわざとらしくイビキをかきはじめた。
「別に聞かれて不味いことはない」
俺がそう言うと奴はベッドから起き上がり、無言でモニタリングルームを指さした。
どうやら俺に話があるらしい。
これも無視することも出来たが、後々面倒なことになる可能性も考えて従ってやった。
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