22 / 31

第22話

俺は後からモニタリングルームに入ると、潔は苦笑いを浮かべながらこちらを見ていた。 「寝る前にごめんな。……凛は俺のこと嫌いだってよく言うしさ、だから選手として意識されてないのかなって思ってた」 何か勘違いをしているのか、だから俺はもう一度言ってやった。 「俺はお前が嫌いだ」 「はいはい、分かってるよ」 俺を宥めるように潔は顔を歪ませた。 「お前直接身体にも噛み付いてきたし。そんな俺が嫌いなんだなー、嫌がらせしたいのかなって結構悩んだけど、今少し気分が晴れた」 コイツは何を言っているんだか俺には理解が出来なかった。 「俺は凛は嫌いじゃないし、凛は俺が嫌いで目障り、でも視界の端には入れてくれてる。ようするに俺が考えてるより凛は俺のこと意識してるんだと感じたんだ。」 何故自分のいいように解釈してるんだと嘲笑ってやりたかったが、確かに大体は潔の解釈で間違いはなかった。 こんな奴に俺が見透かされるなんて苛々する。 何故こんな奴に俺が理解されるのか苛々する。 そしてこの潔にに見透かされ、理解されている自分に一番苛つく。 俺は潔の脚を払って転がした。 音を立てて倒れた奴の頭を手で抑え込んだ。 「ぁいてっ。……お前は、またかよっ!!」 「五月蝿い。お前に俺の何が分かる」 俺は潔を力尽くで抑え込み、露出した鎖骨に噛み付いた。 「痛いって!!やめ……っ、凛」 鎖骨からは血が滲んでいるが、俺は潔よりも主導権を握っている現実に気分が晴れて、そのまま身体を暴き犯した。

ともだちにシェアしよう!