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第10話:自爆としての告白
「なあ、結斗。もしかしておまえ、普段こっちでやってる?」
「…………」
「黙ってると指増やすぞ」
「…………」
「あとさ、これすっごいおこがましい質問なんだけど、間違ってたらマジごめん。ここについてる擦った痕と黒インク、俺めっちゃ見覚えがあって——」
「……んだよ」
「ん?」
「ずっと好きだったんだよ! 高一の時からずっと!」
俺は泣いていたかもしれない。
三津屋アキラの指は、まだ俺の体内にあった。
「上大に入ったのだって三津屋くんが進学するって聞いたからだし、軽音に入ったのも三津屋くんがいたからだし、もう、俺、ダメ、ごめん、俺は三津屋アキラのストーカーだよ! さっきから嘘ばっか言ってた! やめてとかダメとか抵抗するふりして、ホントは滅茶苦茶嬉しかったし気持ちよかったしもっとしたかった! でももうアウトでしょ、こんなキモいストーカーに、いくら三津屋くんが——」
「結斗」
「……んっ」
三津屋アキラの指が少し動いた。
「なんで先にそれ言わねーかなぁ」
そう言うと、三津屋アキラは俺の後頭部に手をやり抱き寄せ、触れるだけのキスをした。
そういや散々不埒なことしてたけどキスはしてなかった。
そして、次の瞬間、俺は面白いものを見ることになる。
あの三津屋アキラが、赤面しておる。
「あー、やべーやべーやべー! 俺そういうのにめっちゃ弱いんだわ!!」
よく分かんないけど、これは反撃のチャンスか?
四面楚歌の俺は、いっそ全部ぶちまけることにした。
「俺は西高だったけど、無理矢理適当な用事作ってよく北高行ってたよ。三津屋くんの視界に入りたくて。あと三津屋くんが出るライブとかは全部行ってる。証拠見せろってんなら、チケットの半券も全部取ってあるから見せるよ」
「須賀結斗……」
絞り出すような声で俺のフルネームを呼ぶ彼の指は一応まだ俺の中にあります。
「キモいだろ? こんなストーカー。だからもう——えっ」
「本気で抱いていいか?」
「ふ、ゆ、指動かしながら、聞かない、で!」
「あーもうダメ、須賀結斗、おまえかわいすぎ。聖なる性獣アキラさん、本気モードでいただきます。痛かったら言えよ?」
俺が机に突っ伏したままでいると、三津屋アキラが避妊具を素早く装着しているのが分かった。
「え、あ、大きっ……!」
彼のものがあてがわれただけで、俺の全身が歓喜に震えた。
最初は徐々に、ゆっくりと入ってきたが、一線を越えるとそれが一気に奥まで来た。
「うあああぁぁぁ!!」
「結斗、痛くないか?」
「や、見ないで、動く、動いちゃうから——!」
言っても無駄だった。俺は既に三津屋アキラのものに満たされて腰を振り始めていた。
「おまえ……最高な。エロすぎ」
——はい?
「聖なる性獣アキラさん、本気で抱いてやる」
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