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第9話:白日
「はぁ、え、なに……?」
「結斗は俺にどうして欲しいか言う。したら俺もそうする。俺も結斗にどうして欲しいか言う。したら結斗もそれをする」
……何だよそれ、もう、頭が、ついていけない……。
「たーとーえーばー」
三津屋アキラの手が下着の中で俺の秘部に近付きかけたので、俺は声を出さないよう奥歯を食いしばった。
「須賀結斗くんは俺のこの手を前と後ろ、どっちに持ってきて欲しいでしょうか」
「はぁっ?!」
「んー、それだけは判断材料にならないのでとりあえずこっちにしましょうかね」
手は前ではなく、後ろに進んだ。
「あああ、ダメ! やめて! お願い! お願いだからやめて!!」
「カウパーこんなに垂らして何言ってんの? 結斗くん、我慢はよくないですよ。じゃあ、次は、ここ」
「はぁ、ああっ!」
頭が熱い。三津屋アキラが指をあてがったのはまさに入り口だった。
「結斗、どうして欲しいか言ってみ」
俺は黙秘することにした。言ったら負けだ。俺は絶対墜ちてしまう。
全部バレて、ドン引きされて、セフレにすらなれずに終わってしまう。
あんなに、好きだったのに。
やっと話せたのに。
合意ではなかったとはいえ関係を持てたかもしれないのに。
俺があんなことしてたのがバレたら——
「ぅあああっ!!」
「悪ぃな、結斗。俺が我慢できなくなっちゃった。おまえかわいすぎ」
は、入ってる、三津屋アキラの指が、あ、動かされたら、俺も、腰が——
「ああぁ! うぅ、はぁん!」
「結斗おまえ、こっち初めてか? だったら才能あんぞ?」
「やぁ、やだぁ!」
「今更否定すんなよ、指だけでめっちゃ締めてくるし——、あれ?」
俺は半分快感で意識が飛んだ状態で、三津屋アキラが『アレ』に気づいたことを察した。
終わった。何もかも。
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