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第31話:REAL GUN FOXの挑戦 後編

「え、LR決まったの? マジで? Poppin’ Birdsってそろそろメジャー行くよね?」  LRハウスといえば、キャパ200人規模のライブハウスで、この辺りでは古くからある、若手バンドの登竜門のようなものだ。上大の軽音楽部はおろか、公に全く出ていない俺たちなんかが、前座とはいえいきなりファースト・ライブをやるにはいささか規模が大きいように、俺は感じた。  俺の不安をよそに、アキラはタクトに目を向けた。 「どうだ、タクト。おまえと結斗はライブ経験が皆無だ。俺は何十回もステージに立ってる。フロアより高いところで客を目の前にして、普段以上に魅力的に、客を惹きつける演奏ができるか?」 「できるよ〜」 「即答かよ。結斗、おまえはどうだ?」 「え、どうだろ……。ベースでなら何回かライブ演奏したことはあるけど、200人の前で、ましてフロントマンとして歌った経験はないから、ホント、今の時点ではなんも言えない。っていうか、ほとんどの客はポッピン目当てだろうけど、アウェイ過ぎない? 俺らのオーディエンスなんか皆無でしょ」 「俺の名前を使う」  アキラはさも当然、と言った。 「あ、じゃあ僕もそうしようかな。今まで曲あげた人たちに連絡してみる」 「じゃあ早速俺らのSNSのアカウント作って、どっかでアー写撮って、初ライブかましてやろうぜ。フライヤーなら知り合いに良いデザイナーがいる」 ——つ、ついて行けない!! 神すぎるこの二人!!

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