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禁断遊戯 四

「あっ、あっ、待って、待って、望ちゃん! まだ、駄目だって言っているのに!」 (この……! 陰間のくせに)  身体を重ねながら、望のなかには章一に対して激しい怒りや軽蔑がわいてくる。章一が自分に命令したり指示したりするなど、許せない。 「黙っていろ!」 「ああっ」  いっそう腰に力を入れ、相手を責めあげた。 「ふぅ……ううっ! うっ……!」  幼獣のような、悲鳴なのか喘ぎなのかわからぬ声をあげ、章一は四肢をつっぱらせる。背におおいかぶさるようにしていると、章一の興奮と悦楽がうつってきそうだ。本当に章一はこの行為に悦びを感じているのだ。苦しみもあるが、快感が勝っているのかもしれない。 「ふぅ……!」  この体勢では、相手の顔が見れないのが残念で、望はもどかしい。  今度は、顔が見れるようにしてやろうと本気で思っていた。 「いいか? いいのか?」 「んっ……んん」  章一が、こくりと頷いたのが知れる。望も興奮をおさえきれなくなった。 「駄目だ……。ぼ、ぼく、もぉ」  章一のやるせなさそうな声が鼓膜をとろかす。  不様だとは思いつつ、望は弾けた。我慢できなかった。 「ううっ!」  一瞬おくれて、章一もつづく。  前にまわしていた望の手が、章一の放ったものを受け取る。  このとき、望は男になった。

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