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第4話 プロローグ4

 僕はガクリと項垂れた。  ああ、頭が割れそうに痛い。  ハンマーで殴られたみたいだ(そんな目に会った事はないけれど)。  一気に絶望的な気分になる。  最悪!  最悪!  こいつだけは僕の理解者だと思っていたのに……それなのに。  僕は駆け出す。  今すぐにこの場を離れて遠野の顔なんか永遠に見ないと思った。  明日の卒業式だって絶対にいかない。  安全な僕の部屋のベッドの中で僕はこれから永遠に過ごすんだ。  そんな思いが一気に噴き出す。  勢い良く遠野の前をかすめると腕を掴まれた。 「離せ!」と大声で言ってやる。  しかし遠野は強く僕の腕を掴んで離さない。  腕を振り払おうとしたけれどビクともしない。  軟弱な自分に嫌気がさす。 「落ち着けよ! 冗談なんかじゃあ無いんだ!」  遠野の声が響く。  遠野は真剣な表情を浮かべて僕を見ていた。  僕は抵抗する事を止めて遠野の顔を見入った。 「冗談なんかじゃあ無いんだ。本気なんだ」  大人しくなった僕に落ち着いた声で言う遠野。 「ほ、本当に?」  僕の問い深く頷いてから遠野は僕の腕を離した。 「ずっと好きだったんだ。このまま自分の気持ちを誤魔化してお前と付き合って行くのはどうなのかなって考えて。それで告白しようと思ったんだ」  遠野の告白に体の力が抜ける。

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