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第6話 十代最後の日になりました1
時間は朝の五時半。
まだ外はほのかに薄暗く、中途半端に閉じたカーテンの隙間からは街灯の灯りが僅かに漏れていた。
微妙な時間に目が覚めてしまった。
まだ眠い。
あくびが出た。
夜、隣の部屋が気になって中々寝付けなかったのだ。
僕は目が覚めて早々、隣の部屋に向かって耳を済ませた。
隣の部屋はとても静かで何の音も漏れて来ない。
隣の部屋では幼馴染の遠野が眠っている。
遠野の彼女と一緒に。
隣の部屋の様子を伺っていると何故だか高校の卒業式前に遠野に告白された事を思い出した。
ため息を一つ吐く。
元々モテていた遠野は大学に入ってから早速彼女を作った。
僕に告白して来た事なんか無かったみたいに。
しかし遠野は彼女が出来ても直ぐに分れてしまう。
彼女の方から別れを切り出されてしまうパターンが多かった。
何で遠野と彼女達が上手く行かないのか僕は不思議だった。
優しいし陽気な良いやつだと思うのだが。
僕は隣の部屋に聞き耳を立てる事を止めると反対側に寝返った。
僕、和泉夕陽(いずみゆうひ)は現在大学二年生。
今日は六月六日。
今日が僕の十代最後の日だ。
明日二十歳になると思ったら憂鬱な気持ちが込み上げてくる。
あっと言う間の十代だったな、と今までを振り返る。
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