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第6話 こうすると、男はすぐに

「はんッ!」 「だって今のコレ、射精じゃないですもん。先輩、先走りって知ってます? 男がひどく興奮したり快感を得たりすると、ここから濡れてくる現象です。今のは、そのちょっと激しいやつですよ」 「ちょ、ちょっと……?」 「ここから射精したら、本当に凄いんですよ……ほら……」  枢流が、なんの気なしに手を伸ばした。 「ひっ!? や、やめっ……」 「誰かいるのか?」  その声に、沙羅衣は凍りついた。学年主任の教師の声だ。  さすがに祠堂も驚いて、どうしたものかと思案顔になる。 「立て、祠堂」 「はい?」 「いいから」  そう言いながら、沙羅衣は萎えた足腰に鞭打って、なんとか立ち上がった。  ボクサーパンツとズボンを上げる。まだ頭がくらくらするが、そうも言っていられない。しゃんとしなくては。  ドアが開いた。 「ん、皇か。なにしてる、こんなところで。そっちにいるのは、一回生か?」 「ええ、先生。一回生の祠堂くんです。二回生の教室棟に興味があったそうで、見学に来ていたんですよ。一緒にいたときにぼくが花瓶の水をこぼしてしまって、ズボンの前を濡らしてしまったから、ここで拭いていたんです。恥ずかしかったものですから、一目から隠れて」 見回りに来たのは、まだ若く、一年のころから沙羅衣と見知っていたこともあり、それなりに仲がいい教師だった。 それもあって、 「そうか。気をつけろよ」  と、深く気にすることもなくそのまま立ち去ってくれた。  ふうううう、と沙羅衣がため息をつく。 「……というわけで、学校の中で、このような真似は慎むように……」 「先のお二人は、無事だったんでしょうか」 「しれっと話を逸らすんじゃない」 じとっとした視線を枢流に向ける沙羅衣だったが、後輩はどこ吹く風だった。 「でも、どうしてかばってくれたんです? ありのままを話せば、あなたの奴隷でもないぼくは、それなりに痛い目に遭わされたでしょうに」 「校内での不純な行為は、見つかれば重い罰を受ける。そんなことは望んでいない。君、まだ鳳凰千舞に来て数カ月だろう? こんなことしないで、まともに学園生活を送ることだよ。皇帝や奴隷が欲しいなら、……おれ以外を頼るんだな」 「やっておいてなんですが、ぼくにされたことは、屈辱ではないんですか?」 「屈辱ではあるさ。いいように手玉に取られたからな。けれど、おれの羞恥心と、君の学歴とでは、重要性は比べるべくもないよ」  枢流はすっと目を細め、ふうん、とつぶやいた。 「さ、分かったら行くぞ。……あとは、歩いていれば乾くだろう」 「皇先輩」 「ん?」 「少し話をさせてもらえませんか?」 「……まともな話ならな」 「もちろんですよ。でも、その前に」  枢流の手が、再び、手早く沙羅衣のズボンをパンツごと下ろした。  そして正面から体を密着させる。 「え?」 「射精させてあげます。たぶん一度ちゃんと出さないと、後でうんとつらくなりますよ」 「だ、だからそういうのを、祠堂っ!」 「あは、ほら、まだ完全に勃起してる……」  きゅッ。 「はうっ」 「本当は、じっくり丁寧にいかせてあげたいんですけど、また人が来たら困りますから……」 「だ、だったらここでそんなこと……はううううんッ!」 枢流の動きは、あまりにも的確だった。 沙羅衣の過敏な先端をとらえ、手のひらでくるみ、上下させながらわずかにねじる。 しゅるしゅるしゅる……しゅいッ、しゅるしゅるしゅる…… あっという間に、沙羅衣は追い詰められていった。 「う、うそだッ……こんな、……すぐ……」  自分で慰める時でもそうそうないくらいに、凄まじい速さで射精感が腰の奥に生まれ、ペニスの先に殺到してくる。 「そうですよ……こうするとね、男は、すぐ……」  どうしてこんな一回生がそんな知識を身につけているのかという疑問は、ちらりと沙羅衣の頭の隅をよぎったが、弾け出す絶頂の感覚によってすぐに思考から追い出されていく。

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